欧州マーケットダイジェスト・2日 株高・金利低下・ドル下げ渋り

(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.41円(2日15時時点比▲0.05円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.86円(△0.41円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0628ドル(△0.0031ドル)
FTSE100種総合株価指数:7446.53(前営業日比△104.10)
ドイツ株式指数(DAX):15143.60(△220.33)
10年物英国債利回り:4.382%(▲0.117%)
10年物独国債利回り:2.717%(▲0.047%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
10月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比                0.1%      ▲0.1%
10月スイスSECO消費者信頼感指数   ▲40.0     ▲27.0・改
10月仏製造業PMI改定値        42.8       42.6
10月独製造業PMI改定値        40.8       40.7
10月独雇用統計
失業率                 5.8%      5.7%
失業者数変化            3.00万人    1.20万人・改
10月ユーロ圏製造業PMI改定値     43.1       43.0
英中銀、政策金利発表       5.25%で据え置き   5.25%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は下げ渋り。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて米金融引き締めの長期化に対する懸念が後退すると、長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.62%台まで急低下。全般ドル売りが先行した。この日発表の7-9月期米単位労働コスト速報値が前期比年率0.8%低下と予想の0.7%上昇に反してマイナスとなり、賃金の上昇圧力が和らいだこともドル売りを誘った。また、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い結果となり、労働需給の引き締まりが緩和しているとの見方が出たことも相場の重しとなり、22時過ぎに一時149.85円と日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は徐々に買い戻しが優勢となり、150.55円付近まで持ち直した。149円台では押し目買いなどが入ったほか、米10年債利回りの低下が一服した影響を受けた。

・ユーロドルは伸び悩み。前日のFOMCをきっかけに米金融引き締め長期化観測が後退すると、ドル売りが出やすい地合いとなった。仏・独・ユーロ圏の10月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が速報値から上方修正されたことも相場の支援材料。NY市場に入ると、米労働市場の軟化の兆しを示唆する雇用関連指標が発表され、ドル売りを促した。22時前には一時1.0668ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。米長期金利が低下幅を縮めたことでドル売りの勢いが後退した。1時30分過ぎには1.0611ドル付近まで押し戻された。

・ユーロ円は買いが先行。世界的な株高を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。22時30分過ぎには一時160.08円と日通し高値を更新した。その後の下押しも159.67円付近にとどまった。

・ロンドン株式相場は大幅に続伸。米利上げ停止への期待が台頭する中、米国株の大幅上昇につれた買いが優勢となった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も堅調だった。
 なお、英中銀金融政策委員会(MPC)はこの日、市場の予想通り金融政策の据え置きを決めた。

・フランクフルト株式相場は4日続伸。前日のFOMCを受けて米金融引き締めの長期化に対する懸念が後退すると、欧米の国債利回りが低下。株式の相対的な割高感が薄れ、幅広い銘柄に買いが入った。個別ではシーメンス・エナジー(6.40%高)やフレゼニウス(5.64%高)、ポルシェ(5.30%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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