週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、米感謝祭明けの動きに注目

◆ドル円、米感謝祭明け海外勢の出方を窺いながらの展開
◆膨らんでいた円売りポジションがある程度解消されたかを見極め
◆ユーロドル、米利下げ観測が支えも一段高には材料不足

予想レンジ
ドル円   147.00-152.00円
ユーロドル 1.0800-1.1100ドル

11月27日週の展望
 ドル円は、米感謝祭明けの海外勢の出方を窺いながら底堅い地合いが戻るかどうかを見極める相場展開となりそうだ。17日から21日までのわずか3営業日で150円台後半から147円台前半まで急落したが、その背景となったのは米系ヘッジファンド勢をはじめとする円売りポジションの解消とされている。CFTC(米商品先物取引委員会)が発表した14日時点での投機筋の円売りポジションが2017年11月以来、約6年ぶりに13万枚を超えていたことが判明したこともポジション調整に拍車を掛けた模様。また、米感謝祭前とあって市場参加者が少なく、流動性の低下から値が振れやすかったことも影響した。

 ただ、今回の下落を受けて、膨らんでいた円売りポジション(ドル買いポジション)がある程度は解消されたと見られており、市場では「ポジションが軽くなったことで上値を試しやすくなったのでは」との声も聞かれている。来週からは休暇明けで主要な市場参加者が戻ってくるため、再び円安・ドル高のトレンドに戻るかどうかを慎重に確かめたいところだ。足元のインフレ鈍化や米雇用指標の伸び悩みから来年3月か5月からの米利下げ観測が高まっており、対ユーロをはじめドルの上値が重くなったことは確かだが、日銀の大規模金融緩和が維持され、円先安観からドル円に関しては上値期待も根強い。なお、来週は27日に10月新築住宅販売件数、28日に11月消費者信頼感指数、29日に7-9月期国内総生産(GDP)改定値、30日に前週分の新規失業保険申請件数や10月PCEコアデフレータ、12月1日に11月ISM製造業景気指数の発表がある。

 ユーロドルは、米利上げ局面が終了したとの見方から下値は依然として堅そうだが、一段と押し上げるだけの買い材料にも乏しい。市場では、欧州中央銀行(ECB)の金利見通しについて来年4月にも利下げが開始されると予想しているが、先行きは不透明でありデータ次第となりそうだ。来週の経済指標は29日に11月独消費者物価指数(CPI)速報値、30日に11月ユーロ圏HICP速報値、12月1日には欧州各国の11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が明らかになる。

11月20日週の回顧
 ドル円は、下値の堅い動き。週明けから持ち高調整の売りが活発化し、目先のストップロスを巻き込みながら21日には9月14日以来の安値となる147.15円まで売り込まれた。ただ、急ピッチで下げた反動から一巡後は反発。タカ派のFOMC議事要旨や前週分の米新規失業保険申請件数が良好な結果だったことも支えに149.75円まで切り返した。ユーロドルは方向感がない。週前半は一時1.0965ドルと8月11日以来の高値を付けたが、その後は一転戻り売りが優勢に。良好な米雇用指標を受けた米長期金利の上昇も売りを後押した。一時1.0852ドルまで下押しした。ただ、その後は1.09ドル台前半まで持ち直している。(了)
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