NYマーケットダイジェスト・21日 株反発・金利上昇・ドル安

(21日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.12円(前営業日比▲1.45円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.46円(▲0.64円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1011ドル(△0.0069ドル)
ダウ工業株30種平均:37404.35ドル(△322.35ドル)
ナスダック総合株価指数:14963.87(△185.93)
10年物米国債利回り:3.89%(△0.05%)
WTI原油先物2月限:1バレル=73.89ドル(▲0.33ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2051.3ドル(△3.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
7-9月期米国内総生産(GDP)確定値
前期比年率              4.9%       5.2%
個人消費確定値(前期比年率)     3.1%       3.6%
コアPCE確定値(前期比年率)      2.0%       2.3%
前週分の米新規失業保険申請件数    20.5万件   20.3万件・改
12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
                   ▲10.5      ▲5.9
11月米景気先行指標総合指数(前月比) ▲0.5%    ▲1.0%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続落。米商務省が発表した7-9月期米国内総生産(GDP)確定値が年率換算で前期比4.9%増と改定値の5.2%増から下方修正され、予想の5.2%増を下回ったことが伝わると全般ドル売りが先行。米経済活動の3分の2超を占める個人消費や、米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数が予想を下回ったこともドル売りを誘った。12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が▲10.5と予想の▲3.0より弱い結果となったことも相場の重しとなり、1時30分前には一時142.05円と日通し安値を更新した。
 市場では「FRBが重視する物価指標がインフレの鈍化を示し、2024年の利下げ期待を高めた」との指摘があった。

・ユーロドルは反発。低調な米経済指標が相次いだことで、米利下げ観測が高まるとユーロ買い・ドル売りが優勢となり、取引終了間際に一時1.1013ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、一時は3.8268%前後と7月24日以来約5カ月ぶりの低水準を付けた米10年債利回りが上昇に転じると伸び悩む場面もあった。

・ユーロ円は続落。ユーロドルの上昇につれたユーロ買いが入ったものの、ドル円の下落につれた円買いの影響の方が大きく、1時過ぎに一時156.13円と日通し安値を付けた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。前日は高値警戒感から利食い売りが優勢となったものの、本日は寄り付きから底堅く推移した。低調な米経済指標を受けて早期の利下げ観測が強まると株買いが優勢となった。市場では「買い遅れていた投資家の押し目買いが入った」との声が聞かれた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。予想を上回る四半期決算を発表したマイクロン・テクノロジーが急伸し、投資家心理の好転につながった。

・米国債券相場で長期ゾーンは反落。7-9月期米GDP確定値など、この日発表の米経済指標がさえない結果となったことを受けて買いが先行。利回りは一時3.8268%前後と7月24日以来約5カ月ぶりの低水準を付けた。ただ、買い一巡後は一転売りが優勢に。米国株相場の上昇で、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。

・原油先物相場は4日ぶりに反落。前日に発表された米エネルギー情報局(EIA)の原油在庫が予想外に大幅な積み増しとなったことが重しとなるなか、アフリカの産油国アンゴラが減産を続ける石油輸出国機構(OPEC)の姿勢に不満を示し、OPECからの離脱を表明したことが売りを後押した。

・金先物相場は反発。米早期利下げ観測が支えとなるなか、7-9月期米GDP確定値などの弱い結果を受けてドル安が進み、ドル建ての金に割安感が生じたことも買いを後押した。

(中村)
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