ロンドン為替見通し=独長期金利は1年ぶりの水準へ低下もユーロは底堅いか

 本日を含め、年が明けるまで欧州からは主要な経済指標の発表や、要人の講演などが予定されていないことで、値動きは米経済指標および米金利動向、リスク許容度、年末にかけてのフローが市場を動意づけることになる。

 昨日は米国勢入り後すぐに発表された12月米リッチモンド連銀製造業指数が予想を下回ったことで、米金利低下・ドル安・ユーロ高に動いた。先週からユーロドルは底堅い動きを見せている。本日もユーロは米金利低下の動きへの反応が敏感になるか。もっとも、米金利が低下しただけでなく、休場明けとなった欧州金利も昨日は一日を通して低下傾向をたどり、ドイツ10年債利回りは昨年12月以来となる1.89%台まで低下している。米国だけでなく、欧州も利上げ打ち止め観測が高いが、上述のように経済指標や講演などの予定がないことで、弱い経済指標が出た場合はドルの方が売られやすいのは変わらないか。なお、NY参入後は前週分の雇用関連指標(新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数)などが米国から発表される。

 リスク許容度については、イスラエルによるイラン革命防衛隊のムサビ上級軍事顧問の殺害を受けて、イランが報復を許可したことで、中東情勢の更なる悪化が懸念されている。現時点ではリスク回避のドル買い・円買いへの反応は鈍いが、中東情勢への注目が集まった場合には要注意だ。

 なお、年末を前に、本日からスポット応当日が複数の通貨で異なっている。ドル、ユーロ、ポンドなどは2日だが、円の応当日は4日、スイスフランやNZドルは3日となる。このこともあり、年末を挟んでスワップポイントが激しく変動し、特に対円では通常以上にポジションを持つのを避けるために、市場参加者もポジションを右から左へとすぐにカバーする傾向が高まることで、市場の動きが通常以上に軽く大きく動くリスクがあることには留意したい。


・想定レンジ上限
 ユーロドル: 7月27日高値1.1150ドル。その上は7月18日に付けた年初来高値1.1276ドル。

・想定レンジ下限
 ユーロドル:5日移動平均線1.1055ドル。その下は22・25日安値1.0994ドル。


(松井)
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