ロンドン為替見通し=独・ユーロ圏ZEWに要注目、ドル安地合いは継続か

 昨日のユーロドルは6月22日以来となる1.10ドル台を回復し、引き継いだ本日のアジア市場も堅調地合いを維持している。ユーロだけではなく、ポンドも対ドルで昨年4月以来の高値を更新し、ドルインデックスも2カ月ぶりの水準まで低下するなど、ドルの軟調地合いが鮮明になっている。明日発表される6月の米消費者物価指数(CPI)で、この流れが変わる可能性もあるが、先週から米金利が上昇しているにもかかわらずドル売りのトレンドが変わらないことで、引き続き本日もユーロドルはユーロ高・ドル安地合いが続きそうだ。
 
 本日の欧州時間では、7月の独及びユーロ圏のZEW景況感指数に要注目。6月の独ZEWは依然として景況感が悪化していると捉えられ、マイナス結果となったものの、予想よりもマイナス幅が縮小したことで、ユーロドルは堅調な動きを見せた。7月は6月の-10.0を小幅に下回り-10.5の予想となっているが、マイナス幅が縮小した場合はユーロドルの支えとなりそうだ。一方、マイナス幅が拡大した場合は、ユーロドルは売りで反応するだろうが、ユーロ以外の通貨でのドル売り地合いが続いていることで、下げ幅は限られるか。
 
 なお、本日より岸田首相もリトアニアで開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議へ出席するために訪欧しているが、NATO首脳会談ではよほどのサプライズがない限りは為替市場へ与える影響は限られそうだ。


・想定レンジ上限
 ユーロドル:5月8日高値1.1054ドル、その上は4月26日に付けた年初来高値1.1095ドル。
 
・想定レンジ下限
 ユーロドル:昨日安値1.944ドル、その下は日足一目均衡表・転換線1.0918ドル。


(松井)
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