NY為替見通し=2月ISM製造業景気指数に要注目、独CPIでのユーロの動向にも警戒

 昨日のNY市場は米債に調整がはいったこともあり、ドル円は米金利低下とともに135円台後半まで下押しした。欧州通貨はスペイン・フランスの2月消費者物価指数(CPI)が予想比を上振れしたことによる欧州金利高や、北アイルランド議定書の見直し合意などで、欧州通貨買い・ドル売りに動いた。
 また、本日は中国の2月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が2012年以来の高水準を記録したこともあり、オフショア・人民元(CNH)に対するドル売りをきっかけに、ドルがほぼ全面安になっている。

 もっとも、欧州通貨やCNHに対してのドル売りは相応の理由はあるが、ドル円は調整以外では、日銀の新体制確立までは積極的に円の買い戻しに動くのは難しいか。

 本日の米国時間では、スペイン、フランスに続いてドイツの2月CPIが発表される。市場予想では前月比+0.6%、前年比+8.5%となっている。予想比を上振れた場合は、本日も欧州金利高による、欧州通貨買い・ドル売りが、ドル円の上値を抑えることにはなりそうだ。

 米経済指標では2月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数に要注目。昨日発表された同月のシカゴ購買部協会景気指数、米消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業景気指数などが軒並み予想より弱い結果となった。1月は雇用統計から始まり、CPI、PPI、小売売上高、PCE・コアデフレーターほか、概ね市場予想よりも強い結果になった流れに水が差されないか注目される。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、本日の高値136.47円が最初の抑え。超えると昨日高値136.92円から200日移動平均線137.23円が抵抗帯。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、日足一目均衡表・転換線135.43円。割り込むと日脚一目均衡表・雲の上限134.74円を目指すか。

(松井)
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