ロンドン為替見通し=ユーロドル 上値余地を試すか、独Ifoの改善続くかに注目

 週明けのロンドン為替市場でユーロドルは、序盤に発表される独Ifoで欧州経済をリードするドイツの景気動向を見極めることになる。なお、先週末に発表された同国の4月購買担当者景気指数(PMI)速報値は、サービス部門が55超えと強い結果となったものの、製造業が44.0とさえなかった。独製造業PMIが景況感判断の境目とされる50を下回るのは10カ月連続。

 日本時間17時に発表される4月独Ifo企業景況感指数は市場予想93.4と前回を若干上回る見込み。前回3月分まで6カ月連続の改善を記録しており、予想通りであれば、欧州景気後退を回避できるという期待感が更に高まりそうだ。このところユーロは対ドルや円で底堅さを維持しており、結果次第で上値余地を試すことになるか。

 Ifo発表の前後には複数の欧州金融当局者が講演予定。来週の欧州中央銀行(ECB)理事会を控え、委員からはインフレの高止まりを警戒する見解がこのところ目立つように感じる。本日の発言では、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁はインフレ抑制に積極的なスタンスが予想される。ハト派の重鎮とされるパネッタECB専務理事が、どの程度まで引き締めを許容するかがポイントとなりそうだ。

 なお今週は米国で主要企業の四半期決算が目白押し。ニューヨーク株式市場の寄り前に発表する企業も多く、結果次第ではロンドン昼頃からのリスクセンチメントに影響しそうだ。本日はダウ平均の採用銘柄、コカ・コーラの決算が発表予定。

想定レンジ上限
・ユーロドルは14日高値1.1076ドル、ユーロ円が22年10月21日高値148.40円。

想定レンジ下限
・ユーロドルは19日安値1.0917ドル、ユーロ円は日足一目均衡表・転換線146.82円。

(小針)
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