ロンドン為替見通し=ユーロドル、上値余地を試すか 欧米金利差を意識した動きに

 本日のロンドン為替市場ではユーロドルの上値余地を試す展開か。アジア午前に1.10ドル付近の売りをこなしており、2月2日につけた年初来高値1.1033ドルが視野に入っている。先行きの欧米金利差を意識した動きが強まるかが焦点となりそうだ。

 昨日の3月米消費者物価指数(CPI)では前年比コアは予想通り加速したものの、総合の鈍化幅がより意識されてドル売りが進んだ。短期金融市場では5月・米追加利上げは依然として有力だが、年後半からの利下げ見込みを強めている。

 一方、欧州金融当局者からはインフレ高止まりを懸念する声が聞こえる。デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁は昨日、「基調インフレは予想以上に堅調」との見解を示した。本日もナーゲル独連銀総裁が講演予定。昨日は、同総裁と同じくタカ派のホルツマン・オーストリア中銀総裁が大幅利上げの必要性を訴えた。独総裁もインフレ抑制に強気な姿勢を示す可能性は高い。

 なお前述した年初来高値を超えると、チャート上では22年4月1日週の高値1.1185ドルまで目立った抵抗水準が見当たらない。ただし、1.10ドルには本日と明日NYカットで大きめのオプション設定があり、1.1050ドルにも来週初に期限を迎える大きめオプションが観測される。オプション絡みの売りがユーロドルの重しとなる場面もありそうだ。

 またポンドドルもユーロドル同様に底堅い動き。こちらはロンドン朝に発表される2月英経済指標が材料視されそう。鉱工業生産は前回から改善予想だが、前年比はマイナスに沈んだまま。月次GDPは前回から減速が見込まれているものの、0.1%とプラス維持が予想されている。

想定レンジ上限
・ユーロドルは前述した1.1033ドル。超えると節目1.11ドルが次に意識されるか。ポンドドルは4日高値1.2525ドルを超えると、こちらも節目1.26ドルを目指す展開に。

想定レンジ下限
・ユーロドルは12日安値1.0911ドル、ポンドドルも12日安値1.2399ドル。


(小針)
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