ロンドン為替見通し=ユーロドル、米金利への思惑で上下 フランがCPIで動意付くか

 本日のロンドン為替市場も先週後半と同様、米金利の先行きに対する思惑でユーロドルは上下することになるか。市場が注目する明日の1月米消費者物価指数(CPI)は、総合・コアとも前月比では前回値を上回る見込み。前年比は12月からの上昇率鈍化が確実視されているものの、減速ペースが弱まることへの警戒感が高まっているようだ。明日の結果待ちではあるものの、米政策金利のターミナルレート(利上げの最終到達点)上振れを市場は織り込みつつあり、ユーロドルを買いづらい状況ではある。

 なお週末には、ビスコ伊中銀総裁がインフレ低下は必要としながらも、欧州中央銀行(ECB)は過度の実質金利引き上げは避けるべきとの見解を示した。ハト派寄りのECB理事会メンバーの発言のためサプライズではないものの、ラガルド総裁が5月会合での利上げ幅縮小の可能性を否定しなかったこともあり、ユーロの重しにつながるかもしれない。

 本日は欧州序盤に、1月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%)が発表予定。前月比は前回-0.2%だったところからプラス転が見込まれている。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)の次回金融政策決定会合は3月23日。その前にもう一度スイスCPIが発表されるものの、足もとでのインフレ次第でスイスフランが動意付く可能性はある。特にユーロ圏金利のピークがそれほど高くないとの見方が広がるなか、対ユーロで買いの勢いが強まる可能性はあるか。

 想定レンジ上限
・ユーロドルは10日高値1.0753ドル、ユーロスイスフランが9日高値0.9907フラン。

想定レンジ下限
・ユーロドルは日足一目均衡表・雲の上限1.0612ドル、ユーロスイスフランが昨年11月30日安値0.9789フラン。


(小針)
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