ロンドン為替見通し=ユーロドル、年初来安値を試すことができるか

 本日のロンドン為替市場では金利や株式市場の動向を見定めながら、ユーロやポンドが対ドルで年初来安値を試すことができるかに注目。

 先週末に発表された米インフレ指標が上振れしたことを受け、市場では同国の金融引き締めが長期化するとの見通しが強まった。3、5、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ずつ利上げどころか、年後半には更に同程度の金利引き上げさえも視野に入れつつある。

 また欧州中央銀行(ECB)に対しても、短期金融市場はタカ派なスタンスを見込んでいるもよう。ラガルドECB総裁が再三にわたり述べているように、来月理事会で0.50%利上げは規定路線。その先はデータ次第としているが、5-7月で合計0.75%引き上げ、状況次第では秋の利上げもあり得るようだ。根強く残っていた「年末までに利下げ観測」は消滅している。

 欧米が利上げ合戦の様相となるなかでユーロドルは取引きしづらいものの、やはり米国サイドの影響は大きそうだ。いずれにせよ株式市場にとっては好ましくない状況であり、リスクセンチメントの悪化からもユーロが下値余地を試す場面があるかもしれない。

 ポンドドルも下サイドへの警戒感が残る。先週は2月英サービス部門PMIの大幅改善を受けて急騰する場面はあったものの、ドル高の流れに抗えずに週末にかけて水準を落とした。月末に絡んだフローで右往左往させられる可能性はあるが、ポンド買いの強い材料なしでは上値は限定か。

 英金融政策については、秋口まで引締めが続くというのが今のところ短期金融市場の見立て。年末にかけて利下げを見込む向きは少数派だ。本日はロンドン午前にブロードベント英中銀(BOE)副総裁が講演予定。昨年からの利上げサイクルで同副総裁は、ベイリー総裁の提示した引き上げ幅に全ての会合で賛成票を投じている。

想定レンジ上限
・ユーロドルは23日高値1.0628ドル、ポンドドルは24日高値1.2042ドル、

想定レンジ下限
・ユーロドルは1月6日安値(年初来安値)1.0484ドル、ポンドドルも同月6日安値(年初来安値)1.1842ドル。

(小針)
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