ロンドン為替見通し=ユーロドル 上値試すか、景気減速への懸念薄まる

 本日のロンドン為替市場でも、前半は欧州株や債券利回りの方向性を探りながらの取引か。リスクセンチメントの改善が続けば、ユーロは対ドルや円で上値を試す場面がありそうだ。ニューヨーク勢の参入後は、3月米消費者物価指数(CPI)の結果次第となる。

 昨日の欧州主要株指数はスペインを除き底堅い動きだった。独DAXは昨年1月以来の高値、仏CAC40は過去最高値を更新している。昨日に国際通貨基金(IMF)が公表した最新の世界経済見通しでは、今年のユーロ圏成長率は0.8%と前回から0.1ポイント上方修正された。依然として低成長率ではあるものの、景気減速への過度な懸念は薄まりつつあるもよう。昨日のように欧州株に資金が向かうかが注目される。

 気になるところでは、IMFが、金融混乱リスクはまだ残存の可能性ありとの見解を示したこと。欧州では、TLTRO(貸出条件付き流動性供給オペ)の返済期限が6月末に向かえる。一部の南欧諸国の銀行は資金ショートの恐れがあるという。その場合、欧州中央銀行(ECB)が追加流動性を供給するのだろうが、欧州リスクへの不安が高まるかもしれない。

 なお本日は、デギンドスECB副総裁やデコス・スペイン中銀総裁が欧州午後に講演予定。昨日は、ビルロワドガロー仏中銀総裁が、ユーロ圏インフレ率の高止まりリスクを指摘し、ECBが引き締めスタンスを継続する必要性を述べた。

想定レンジ上限
・ユーロドルは4日高値1.0973ドル、その上は心理的節目1.10ドル。ユーロ円が昨年12月15日高値146.73円。

想定レンジ下限
・ユーロドルは10日安値1.0831ドル、ユーロ円は昨日安値144.88円。


(小針)
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