ロンドン為替見通し=ユーロドル テクニカル線を意識しながらの取引に

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、テクニカル指標の幾つかの線を意識しながらの取引か。昨日は2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が市場予想を上回り、また、欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨も「過度な金融引き締めへの懸念は時期尚早」との見解が示されたものの相場の反応は鈍かった。欧州金利の先高観を背景としたユーロ買いは一服したと見え、しばらく方向感を探る展開となる。

 昨日は米金利が上昇幅を広げてユーロドルは1.0577ドルまで下押しした。ただし、同水準に位置していた日足一目均衡表・雲の下限がサポートとして機能。1日安値1.0565ドルの下にも上昇中の90日移動平均線が控えており、その辺りが支持帯として働くかがポイントだろう。

 1.06ドル台では下向きの一目・転換線1.0616ドルが目先では意識される水準。その上で推移となれば、1.0660ドル台まで下りてきた21日移動平均線が視野に入る。いずれにせよ動意付けるきっかけは、欧州金利というよりも米金利の動向次第だろう。昨日の米国債市場では、全ての年限で利回りが4%を超えたことが話題となった。

 なお本日は、仏独ユーロ圏の2月サービス部門PMIが発表されるものの、改定値のため速報値から大きく振れない限りインパクトは薄い。ECB理事会メンバーの講演は、オーストリア/スロベニア/エストニア/ベルギーの中銀総裁、そしてデギンドス副総裁が予定されている。

 なお欧州序盤には2月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比3.35%/前年比55.50%)が発表予定。低下基調ではあるものの前年比の水準は依然として高く、取引材料にはされ難いだろう。それよりもトルコ大統領選を5月に控え、そろそろ明らかにされるという「野党連合の統一候補」により注目が集まるのではないか。

想定レンジ上限
・ユーロドルは21日移動平均線1.0668ドルや昨日高値1.0673ドル、トルコリラ円は昨年12月20日高値7.37円。

想定レンジ下限
・ユーロドルは90日移動平均線1.0562ドル、リラ円は21日移動平均線7.11円。


(小針)
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