ロンドン為替見通し=ユーロドル FRB議長の議会証言を控え上値を試しづらいか

 本日のロンドン為替市場では、タカ派な発言が一部で予想されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を午後(日本時間24時)に控えているため、ユーロドルの上値は追いづらいか。

 昨日は欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーから欧州金利の先高観を強める発言が伝わり、ユーロが全般に買い優勢となった。ただし、ECBチーフ・エコノミストでもあるレーン専務理事が述べた「現在の情報は3月以降の利上げ継続を示唆」は、市場にとっては分かりきっていること。ホルツマン・オーストリア中銀総裁が訴えた「4会合連続の0.50%利上げ」は確かに短期金融市場の織り込み度より上ではあるものの、同総裁は最もタカ派的な1人として知られている。

 ラガルドECB総裁は今後の政策はデータ次第としており、ホルツマン氏以上にタカ派的な声が出るとも思えない。そうなると、ここからはユーロ圏金利を材料としたユーロ買いは盛り上がりづらいのではないだろうか。

 ところでユーロスイスフランは昨日、欧州序盤に0.9970フラン手前から0.9920フラン台まで急ピッチで値を下げた。1月分から鈍化が見込まれていた2月スイス消費者物価指数(CPI)が前月比・前年比ともに上振れ。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が引き締め姿勢を継続または強化するとの思惑がフラン買いにつながったもよう。その後、ECB当局者のタカ派発言を受けて高値圏まで反発するも、NY午後には伸び悩んでいる。中銀の金利引き上げ合戦となればECBのほうがSNBよりも上げ幅が大きいのだろうが、市場インパクトとしてはスイスの方が強いかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドルは2月15日高値1.0745ドル、ユーロスイスフランは3日高値0.9988フラン。

想定レンジ下限
・ユーロドルは昨日安値1.0613ドル、ユーロスイスフランは21日移動平均線0.9909フラン。


(小針)
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