ロンドン為替見通し=ユーロドル 方向感探る展開、ランドは下値警戒感を高めるか

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは1.05ドル台を中心に方向感を探る展開か。今週の注目イベントの1つだった米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を終え、明日には2月米雇用統計を控えていることもあり、やや動きづらそうだ。
 また欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーは本日から金融政策についての発言が禁じられるクワイアット期間(いわゆるブラックアウト期間)に入る。材料難のなか、持ち高調整が中心となるか。

 昨日はビスコ伊中銀総裁が、このところ目立った「理事会のタカ派メンバーによる発言」を批判した。ホルツマン・オーストリア中銀総裁が5月以降も引き締め強化を訴えた件に対し、ECBはフォワードガイダンスを示さないことで合意しているとビスコ総裁は強調。

 ECB理事会には約25名のメンバーがおり、当然ながら意見の相違はあるものの、ハト派とタカ派の溝は思った以上に広がっているのかもしれない。対立が際立つようだと、印象的には通貨ユーロにネガティブではある。来週の会合ではラガルド総裁の手腕が問われる。

 本日は欧州からの重要指標は予定されていないものの、南アフリカからは10-12月期経常収支が発表予定。市場予想は1800億ランドの赤字と前四半期の180億ランドの赤字から悪化が見込まれている。ただし、昨年同時期も約1100億ランド超の赤字を記録しており、季節的な要因もあるのだろう。

 今週発表された南アGDPは元々弱いという予想から更に下振れし、BER企業信頼感指数もさえなかった。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も同国の格付け見通しを「ポジティブ」から「安定的」に引き下げている。昨日のランドは、対ドルでは2020年5月以来の安値となる18.7192ランドまで売り込まれた。ランド円もドル円が伸び悩むようだと、再び下値への警戒感が高まりそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドルは90日移動平均線1.0596ドルから日足一目均衡表・転換線1.0610ドルが抵抗帯。ランド円は2・3日高値7.53円。

想定レンジ下限
・ユーロドルは1月6日安値1.0484ドル。ランド円は2月10日安値7.31円を割り込むと、昨年安値の7.19円が意識される。


(小針)
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