ロンドン為替見通し=ユーロドル 90日線を割り込んで下値探る展開となるか

【訂正:タイトルを訂正いたします】

 本日のロンドン為替市場は、まずは欧州金利がどのようにスタートするかを見定めたい。昨日は上昇で終えたものの、欧州引け後も米金利は上幅を広げている。欧州金利が連れて上昇するようならば、そこでユーロドルがどの程度持ち直すことができるかが米国の雇用関連指標の発表までの流れを作るか。

 ユーロドルのテクニカル指標では、長期トレンドを示す90日移動平均線が1.0849ドルに位置している。日足一目均衡表の雲の中にも入り込んでおり、反発力弱いようだと、90日線の下で1.08ドル割れの一目・雲の下限を目指す展開も想定しておきたい。

 このところユーロは対欧州通貨でも地合いが弱い。東京昼までにユーロポンドは0.8540ポンド割れ、ユーロスイスフランも0.9750フランを下抜けし、それぞれ昨日からの安値を更新した。ユーロクロスの方向性もユーロの対ドル動向に影響を与えるだろう。

 ユーロポンドは英国とユーロ圏の金利差が意識されつつある動きか。昨日は、欧州中央銀行(ECB)調査による1年先の期待インフレ率が前回から低下した。一方で、英インフレ高止まりを受けて英中銀の引き締め強化を予想する向きが増えている。ただ、英金利上昇が同国成長の足かせにもなりかねず、一方的なポンド買いユーロ売りも考え難い。

 ユーロスイスフランは、ウクライナでロシアが占領するザポリージャ(ザポロジエ)原子力発電所を巡る緊張の高まりが、避難通貨とされるフラン買いに繋がっているもよう。同原発は主要外部電源が再接続したと報じられているが、攻撃を受ける可能性の低下に繋がるかは不透明。欧州最大の原発を巡るニュースには注視する必要がありそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドルは日足一目均衡表・転換線1.0906ドルから4日高値1.0916ドルまでが抵抗帯。

想定レンジ下限
・ユーロドルは一目・雲の下限1.0798ドル。


(小針)
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