ロンドン為替見通し=クロス円の動向を見極め、当局者と市場の乖離にも注意

 本日のロンドン為替市場では、リスク選好の強まりを背景に昨日大きく値を上げたクロス円の動向を見極めながら、欧州午後(ニューヨーク序盤)に発表される12月米消費者物価指数(CPI)を待つことになりそうだ。

 本日の日本株も堅調スタートとなり、日経平均株価は1990年2月以来の3万5000円台乗せに成功。海外勢の買いが目立つとされており、一部通信社は中国人投資家が自国株を見切った資金を日本に向けているとも報じている。昨日一気に進んだユーロ高・円安の流れは東京午前で一服しているものの、リスクセンチメントに大幅な変化がない限り、ユーロ円の下押しはあくまで調整の範囲内に留まることになるか。

 ただユーロ円の日足一目均衡表でやや気になるのは、雲の中で伸び悩み始めたと見えなくはないこと。今日から明日にかけては、トレンド転換のきっかけとなる場合もある「雲のねじれ」が158円後半で発生する。同じような水準には90日移動平均線(本日158.72円)も位置しており、その辺りを下抜けてしまうようだとロングの投げが加速するかもしれない。

 本日は欧州発の主要なイベントは、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁の講演のみ。昨日はシュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事がインフレの上振れリスクに要警戒とし、「利下げに関する議論は時期尚早」との見解を示した。一方、短期金融市場はかなり前のめりで今年の利下げを織り込んでいる。金利見通しに対する当局者と市場の乖離がユーロ相場にとって今後の波乱要因となるかもしれず、本日のクロアチア中銀総裁のトーンにも気を付けてはおきたい。

想定レンジ上限
・ユーロドル、2日高値1.1046ドル
・ユーロ円、ピボット・レジスタンス1の160.68円

想定レンジ下限
・ユーロドル、5日安値1.0877ドル
・ユーロ円、90日移動平均線158.72円


(小針)
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