ロンドン為替見通し=動意に繋がる指標少ない、当局者発言を確かめて米雇用統計待ち

 本日のロンドン為替市場では、複数の経済指標の発表が予定されているものの相場の動意に繋がりそうなものは限られている。欧州金融当局者の講演はポルトガル・スペインの中銀総裁が予定されており、それらの発言内容を確かめながら結局は欧州午後の10月米雇用統計を待つことになるか。

 指標では、9月分が独貿易収支や仏鉱工業生産、ユーロ圏失業率、10月分は英サービス部門PMI改定値やトルコ消費者物価指数(CPI)が発表予定。この中では、英国やトルコ指標が結果次第では材料視されるかもしれない。

 10月トルコCPIは前月比が前回から減速見込み(3.93%)だが、前年比は62%台まで上昇幅を広げると予想されている。トルコ中銀が昨日公表した四半期インフレレポートでは、年末インフレ率見込みが65%とされており、物価高止まりはサプライズではない。ただし、予想から上振れるようだとリラへの印象はさすがに悪くなるだろう。

 10月英サービス部門PMI改定値は予想49.2と景況判断の境目50を下回る見込み。長引く英金利高で同国経済への減速懸念が高まっており、予想より弱い数値に相場は敏感となりそうだ。

 センテノ・ポルトガル中銀総裁やデコス・スペイン中銀総裁では、足もとで想定以上に減速したユーロ圏消費者物価指数(HICP)に対するコメントが注目される。ニューヨーク勢の参入後には、バー米連邦準備理事会(FRB)副議長やピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミストも講演予定だが、その後の米雇用統計に声がかき消されてしまうかもしれない。ただし、直近の大幅な金利低下についてFRB副議長の考えや、昨日の金融政策に関する英中銀チーフエコノミストの見解には注視したい。

想定レンジ上限
・ユーロドル、10月24日高値1.0694ドル
・ポンドドル、10月24日高値1.2289ドル
・トルコリラ円、90日移動平均線5.38円

想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.0571ドル
・ポンドドル、10月30日安値1.2090ドル
・トルコリラ円、8月4日安値5.21円


(小針)
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