ロンドン為替見通し=前半は本邦当局の為替介入を警戒、米金利動向も注視

 本日のロンドン為替市場で欧州通貨は、対円では本邦通貨当局による円買い介入に警戒しながらの取引となりそうだ。特に、当局が為替介入を実施しやすいであろう東京勢が残っている時間帯・欧州前半までは注意しておきたい。対ドルでは、昨日同様に米長期金利の動向に付いて行く展開か。なお、欧州午後には金曜日の米雇用統計の前哨戦となる10月ADP全米雇用報告(予想:15.0万人)が発表される。

 財務省が昨日公表した介入実績では、12カ月連続で為替介入なしが確認された。当局による為替介入は海外市場でも行われるものの、現状のように前回から間隔があいた場合、東京見通しでも指摘された「東京市場の参加者が取引している時間帯に実施」が通例とされている。金融機関によってまちまちではあるが、日本時間17時頃までを一つのめどとしたい。いずれにせよ、円安是正に向けた当局の本気度が試される。

 昨日のユーロドルは弱いユーロ圏インフレ指標を受けて伸び悩む局面はあったものの、基本的には米金利の上げ下げに振らされた。米長期金利の低下でユーロ買いドル売りが先行し、米金利の上昇でユーロ売りドル買いが強まった。本日については、ニューヨーク午後に米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例会見を控えているため、さすがに米金利市場も様子見ムードが広まりそうだ。ただし昨日は好調な米経済指標が続いたこともあり、10月ADPも上振れとなれば米金利への上昇圧力が強まる場面もあるか。

 なお、昨日発表された10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は前年比総合で2.9%と2021年7月以来の低い上昇率となった。欧州中央銀行(ECB)の専門家予測調査によれば、ECB目標の2%に接近するのは2025年とされているが、減速スピード次第では目標への回帰が早まる可能性も出てきたようだ。


想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.0665ドル
・ユーロ円、ピボット・レジスタンス1の161.47円

想定レンジ下限
・ユーロドル、10月6日安値1.0483ドル
・ユーロ円、日足一目均衡表・転換線159.28円


(小針)
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