ロンドン為替見通し=欧・英当局者発言で金融政策の行方を判断

 ロンドンタイムは、動意につながりそうな欧州経済指標の発表はない。欧・英当局者の発言予定に一応注意したいが、特段の動きにつながらないかもしれない。

 欧州序盤15時35分からデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁の講演が行われる。しかし、同総裁が昨日の講演でも述べていたが「今後の政策措置はデータ次第」の状況。特段の経済指標発表もないなか為替も動きにくい。

 16時からのミュラー・エストニア中銀総裁の講演も、同様に為替の振れにつながりにくいとみる。ただ、ECBが4日に0.25%の利上げを決定した翌日、同総裁は「昨日の利上げ決定が最後にはならない」と述べていた。コアインフレ上昇にまだ明確な減速の兆候がないとの見解が背景。ここもとの景気減速懸念のなかでもタカ派姿勢に変化がないか注目となる。

 イングランド銀行(BOE)サイドでは、ピル金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミストの講演や、ベイリー総裁の議会証言も予定されている。ピル委員は16日、「成長しすぎることによるインフレをまだ懸念している」「インフレ率が2%へ戻るには需要が多すぎる」とインフレ抑制に前向きな姿勢を示していた。

 ベイリー総裁も「インフレが根強ければさらなる引き締めが必要となる可能性」とタカ派姿勢。一層のポンド高につながるかどうかは英米金利差など米金利主導の動きも関係してくるが、欧州通貨が一定の底堅さを維持できるかは欧・英金融政策の行方次第。本日のECB・BOE高官の発言内容を注視したい。


想定レンジ上限
・ユーロドル:5日安値1.0967ドル。
・ポンドドル:9日安値1.2578ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0744ドル前後で下支えになりそうな26週移動平均線付近。
・ポンドドル:4月25日安値1.2387ドル。

(関口)
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