ロンドン為替見通し=英欧金融当局者の講演、内容次第ではドル高進むか

 本日のロンドン為替市場では、昨日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のタカ派寄り議会証言に対し、英欧の金融当局者がどのような見解を示すのか注目される。日本時間18時台にディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、19時にはラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が講演予定。

 昨年8月にMPC委員に就任したディングラ氏は、これまで4会合に参加している。その投票履歴をみると、9月MPCの0.50%利上げ決定に対しては0.25%、11月0.75%利上げに対しては0.50%と小幅な引き上げを支持。英中銀は12月と今年2月にも0.50%ずつ利上げを実施しているが、こちらに関しては据え置きを主張していた。

 FRB議長がタカ派色を強める一方、ディングラMPC委員が(MPC内で主流ではないものの)ハト派的な意見を貫き通すようであれば、ポンドドルへの下落圧力が強まるかもしれない。なお昨日の欧州序盤に1.20ドル半ばで推移していたポンドドルは、ニューヨーク午後には昨年11月以来のとなる1.18ドル前半まで売り込まれた。

 ラガルドECB総裁の講演については、先日のホルツマン・オーストリア中銀総裁が訴えた「4会合連続の0.50%利上げ」に対する意見にも注目。また、昨日ECBが発表した期待インフレ率についての考えも明らかにされそうだ。1月調査では、3年先の期待インフレ率が2.5%と12月3.0%から大きく低下した。これを受けて欧州の主要長期債には買いが入った(利回りは低下)。

 オーストリア中銀総裁の意見はタカ派的過ぎとも言え、ECB総裁が修正してくる可能性は高い。加えて、もし期待インフレ率の鈍化を素直に受けとめるようであれば、ユーロドルが下値余地を試すことになるか。

想定レンジ上限
・ポンドドルは200日移動平均線1.1906ドル、ユーロドルは日足一目均衡表・転換線1.0614ドル

想定レンジ下限
・ポンドドルは昨年11月17日安値1.1764ドル、ユーロドルは1月6日安値1.0484ドル。

(小針)
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