NY株見通し-今週は発表が本格化する4Q決算とインフレ指標に注目

 今週のNY市場は決算発表とインフレ指標に注目。先週はダウ平均が0.72%高、S&P500が1.17%高、ナスダック総合が2.26%高と主要3指数がそろって2週続伸した。12月小売売上高などの米経済指標が総じて強い結果となったことで米10年債利回りが上昇したものの、年初から下落が続いたアップルが大きく反発したことや、台湾セミコンダクター(TSMC)の決算を好感した半導体株が軒並み大幅高となり相場をけん引した。ダウ平均は週末19日に12営業日ぶりに取引時間中の史上最高値を更新したほか、S&P500は2022年1月以来、2年ぶりに取引時間中と終値の最高値を更新した。ナスダック総合は史上最高値まで約5%に迫ったが、時価総額上位銘柄で構成されるナスダック100指数は18、19日に連日で取引時間中と終値の最高値を更新した。半導体株もSOX指数が週間で7.98%高となり過去最高値を更新した。

 今週は発表が本格化する第4四半期決算とインフレ指標が焦点となりそうだ。第4四半期決算発表は先週までにS&P500採用の43銘柄が発表を終え、そのうち88%の銘柄で調整後一株当たり利益が市場予想を上回ったものの、株価は決算を受けて下落するものが多かった。今週はS&P500採用の70銘柄以上が発表予定で決算結果やガイダンスが注目される。主要なものは月曜日にユナイテッド・エアラインズ、火曜日にジョンソン&ジョンソン、ゼネラル・エレクトリック、ベライゾンプロクター&ギャンブル、3M、ネットフリックス、水曜日にテスラ、AT&T、IBM、木曜日にユニオン・パシフィック、ヒューマナ、ビザ、金曜日にインテル、アメリカン・エキスプレスなど。

 経済指標は金曜日発表の12月個人消費支出(PCE)価格指数に注目が集まる。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視する変動の大きい食品、エネルギーを除くコアPCE価格指数は前年比+3.0%と11月分の+3.2%から小幅に低下が見込まれている。CMEのフェド・ウォッチが示す3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は前週末の81%から先週末は47%に低下するなど早期利下げ転換期待が大きく後退したが、コアPCE価格指数が低下すれば再び早期利下げ期待が高まりそうだ。このほかの経済指標は12月景気先行指数、1月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、10-12月期国内総生産(GDP)速報値、12月新築住宅販売件数など。

 今晩の米経済指標・イベントは12月景気先行指数など。企業決算は引け後にユナイテッド・エアラインズ、ザイオンズ・バンコープなどが発表予定。
(執筆:1月22日、14:00)
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