東京為替見通し=円相場、日銀展望レポートと植田総裁会見で乱高下の可能性も

 海外市場ではドル円は、米10年債利回りが4.07%台まで低下したことを受けて円買い・ドル売りが先行し一時147.62円と日通し安値を更新した。しかし、売り一巡後は徐々に買い戻しが進み、148.14円付近まで下げ渋った。ユーロドルは25日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えて様子見ムードが強まると、1.08ドル台後半での狭いレンジ取引に終始した。

 本日のドル円は、日本時間正午前後に結果が公表されると思われる日銀政策決定会合次第で、乱高下を繰り返すことなりそうだ。市場のコンセンサスとしては、今回はマイナス金利やイールドカーブ・コントロール(YCC)の解除は見送りとなっている。よって、市場の注目は、同時に発表される1月の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」や植田日銀総裁の会見になる。

 経団連が16日発表した2024年春闘の経営側指針では、企業からは賃上げの表明が相次ぎ第一生命ホールディングスは平均7%、キリンホールディングスは約6%の賃上げを目指す意向を示している。また。同第一生命は初任給を27万6000円から32万1000円に引き上げる方針を示すなど、賃金と物価がともに上昇する好循環を支える流れを作ろうとしている。

 一方で、先週末19日に発表された12月全国消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く総合コア指数、更にエネルギーを除いたコアコア指数ともに市場予想通りだったものの、伸び率は11月よりも鈍化した。今年に入って公表された12月東京都区部のコアCPI、11月家計調査・消費支出、11月毎月勤労統計、実質賃金などは弱い結果になり、更に能登半島地震の影響もあり、早期の政策修正観測が後退している。大手企業と中小企業との間で格差が開き、上述の9日に発表された実質賃金は20カ月連続で減少するなど、国内全般を見るとYCC解除を期待するのは時期尚早との声もある。このような状況下で、日銀審議委員がどのような観点を下すかにより、市場は大きく動意づくことになるだろう。

 また、展望レポートは、24年度のコアCPIを前回(23年10月)見通しの2.8%から、2%半ばに下方修正すると市場は予想を立てている。市場の予想と乖離した結果となった場合も、円は動意づくことになるだろう。

 なお、通常日銀が政策決定を公表する12時過ぎと、植田日銀総裁の会見(15時半からの予定)の間の14時頃に、19日に発表されたCPIの数値から算出された「刈り込み平均値」「加重中央値」「最頻値」が公表される予定。この結果次第でその後の植田総裁の会見にも影響を与えることもあり、政策金利発表から会見までの空白時間にも警戒を怠らないようにしておきたい。

 ドル円以外の通貨は、先週末に米連邦準備理事会(FRB)はブラックアウト期間に入り、欧州中央銀行(ECB)も25日の会合前7日間はクワイエット期間に入っていることで、大きな値動きを期待するのは難しい。また、明日24日には欧米各国から製造業購買担当者景気指数(PMI)などの注目指標が発表されることで、本日は更に動きにくいか。

(松井)
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