ロンドン為替見通し=昨日の流れ継続で上値限定的か、中銀関係者の講演に注目

 本日のユーロドルは上値が重くなるか。昨日欧州中央銀行(ECB)理事会後のラガルドECB総裁の会見で、短期金融市場でECBの利下げ観測が高まったとの判断でユーロが軟調に動いた。本日もその流れが継続し上値が限られるか。

 本日は1月仏消費者信頼感指数が発表される程度で、市場を動意づけるような経済指標は欧州からは発表される予定がない。もっとも、複数のECB高官の講演が予定されていることで、昨日のラガルド発言を後押しするのか、もしくは和らげるのかにより相場の動きが決まりそうだ。

 欧州午前にパネッタ伊中銀総裁が講演予定だが、同氏はECBの中でも最もハト派よりと捉えられている。すでに昨年11月に「インフレ率の低下が加速すれば、金融政策が緩和される可能性がある」とも述べている。逆に、その後に講演が予定されているシムカス・リトアニア中銀総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁の3氏はややタカ派寄りと捉えられている。これらの中銀総裁が、これまで通りのスタンスの発言をするのか、もしくはスタンスが変わるのかを確かめる必要がありそうだ。

 NY入り後からは、米国から重要インフレ指標の1つ、12月米個人消費支出(PCE)が発表される。中でも名目PCEを実質PCEで割った「PCEデフレーター」から、更に食品とエネルギーを除いた「PCEコアデフレーター」はFRBが最重要視しているとされ、この結果次第で米金利とドルが大きな動きを見せ、ユーロ相場に影響を及ぼすことになるだろう。


・想定レンジ上限
 ユーロドル:昨日ECB発表前の安値1.0870ドル。その上は昨日高値1.0902ドル。

・想定レンジ下限
 ユーロドル:90日移動平均線1.0787ドルから日足一目均衡表・雲下限1.0768ドルが支持帯。

(松井)
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