株式明日の戦略-続伸で週間では大幅上昇、来週も買い手優位の流れが続くか
9日の日経平均は小幅続伸。終値は34円高の36897円。米国株高を好感して上昇して始まった後、いったん下げに転じた。しかし、決算を発表したソフトバンクグループ<9984.T>が連日で派手に上昇したことで、すぐにプラス転換。上げ幅を広げて節目の37000円を上回ると、高いところでは400円超上昇して37200円台に乗せた。
買い一巡後は上値が重くなり、しばらく上げ幅を縮小。ただ、37000円を下回ったところでは改めての買いが入った。後場に入ると値動きが落ち着き、37000円を挟んでの一進一退が続いた。引けにかけての動きがやや弱く、上げ幅を2桁に縮めて終値では37000円を下回った。値下がり銘柄が多く、TOPIXは小幅に下落した。
東証プライムの売買代金は概算で5兆5700億円。業種別では石油・石炭、非鉄金属、金属製品などが上昇した一方、海運、繊維、電気・ガスなどが下落した。傘下のアームが8日の米株市場で5割近く上昇したことや、自身の3Q決算が好感されたソフトバンクグループが8.7%高。全市場の売買代金トップとなり、日経平均へのプラス寄与は128円近くあった。半面、通期の利益見通しを引き下げた帝人<3401.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり565/値下がり1048。証券会社が目標株価を引き上げたルネサスが連日の大幅上昇。3Qの大幅営業増益や自己株取得・消却が好感されたENEOSが後場に入って急伸した。上方修正と増配を発表したフジクラがストップ高。同業の古河電工は3Q営業赤字を受けて下げて始まったものの、切り返して4%を超える上昇となった。上方修正と増配を発表したハピネットに買いが殺到してストップ高比例配分。今週新規上場のソライズとウェリタスがそろってストップ高となった。
一方、川崎汽船など海運大手3社が大幅安。海外の海運大手企業の減益決算が警戒材料になったとの見方があった。決算が市場の期待に届かなかった日産自動車や富士フイルムが急落。富士フイルムは1:3の分割を発表したが、支えにはならず下値模索が続いた。計画下振れ着地や今期の弱気見通しが嫌気されたネクソンが11.7%安。1Qが営業赤字となった富士製薬工業はストップ安まで売られる場面があった。
日経平均は続伸。買い一巡後は伸び悩んだものの、一時37287円まで上昇した。1月23日の取引時間中の高値が36984円で、この時は37000円の壁に阻まれて失速。その後はしばらく上値が重かっただけに、それほど間を置かないうちに壁を超えてきたことは期待の持てる動き。きのうときょうは値下がり銘柄が多く、個別ではそれほど過熱感が高まっていない。仮にソフトバンクGが急伸の反動で下げたとしても、それに連れ安する銘柄はそれほど多くないと思われる。指数の水準は一段切り上がったとみるべきだろう。
来週以降はプライムの売買代金の水準に注意を払っておきたい。今週は3営業日で5兆円を上回った。SQ週で決算発表も多かったため、今週がピークとなる可能性はある。ただ、今年に入ってからの日経平均は大きな押し目を作ることなく上昇が続いており、ここにきて高値を更新してきた。高水準の売買代金が継続する、もしくはさらに厚みを増すということになるのであれば、グローバルの視点で日本株に対する見方が一段と良くなることが期待できる。
【来週の見通し】
堅調か。月曜が休場で立ち合いは4日。決算発表は終盤戦となるが、週明けには東京エレクトロン<8035.T>の決算を消化するほか、水曜14日にはソニーG<6758.T>が決算を発表予定。国内主力企業の決算が概ね出そろった後も、15日には米国で半導体大手のアプライド・マテリアルズが決算予定であることから、来週も個別の物色は活況が続くと見込まれる。米国では1月の消費者物価指数(CPI)ほか経済指標の発表が多く、結果を受けた米長期金利の動向には気を揉むことになると思われる。ただ、米金利が低下すればリスクオンの流れが加速する公算が大きく、金利が上昇すればバリュー株に資金が向かいやすい。日経平均は今週、直近高値を上回っており、今は買い手の方に勢いがある。弱材料に耐性を示すことで、水準を切り上げる流れが続くと予想する。
買い一巡後は上値が重くなり、しばらく上げ幅を縮小。ただ、37000円を下回ったところでは改めての買いが入った。後場に入ると値動きが落ち着き、37000円を挟んでの一進一退が続いた。引けにかけての動きがやや弱く、上げ幅を2桁に縮めて終値では37000円を下回った。値下がり銘柄が多く、TOPIXは小幅に下落した。
東証プライムの売買代金は概算で5兆5700億円。業種別では石油・石炭、非鉄金属、金属製品などが上昇した一方、海運、繊維、電気・ガスなどが下落した。傘下のアームが8日の米株市場で5割近く上昇したことや、自身の3Q決算が好感されたソフトバンクグループが8.7%高。全市場の売買代金トップとなり、日経平均へのプラス寄与は128円近くあった。半面、通期の利益見通しを引き下げた帝人<3401.T>が急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり565/値下がり1048。証券会社が目標株価を引き上げたルネサスが連日の大幅上昇。3Qの大幅営業増益や自己株取得・消却が好感されたENEOSが後場に入って急伸した。上方修正と増配を発表したフジクラがストップ高。同業の古河電工は3Q営業赤字を受けて下げて始まったものの、切り返して4%を超える上昇となった。上方修正と増配を発表したハピネットに買いが殺到してストップ高比例配分。今週新規上場のソライズとウェリタスがそろってストップ高となった。
一方、川崎汽船など海運大手3社が大幅安。海外の海運大手企業の減益決算が警戒材料になったとの見方があった。決算が市場の期待に届かなかった日産自動車や富士フイルムが急落。富士フイルムは1:3の分割を発表したが、支えにはならず下値模索が続いた。計画下振れ着地や今期の弱気見通しが嫌気されたネクソンが11.7%安。1Qが営業赤字となった富士製薬工業はストップ安まで売られる場面があった。
日経平均は続伸。買い一巡後は伸び悩んだものの、一時37287円まで上昇した。1月23日の取引時間中の高値が36984円で、この時は37000円の壁に阻まれて失速。その後はしばらく上値が重かっただけに、それほど間を置かないうちに壁を超えてきたことは期待の持てる動き。きのうときょうは値下がり銘柄が多く、個別ではそれほど過熱感が高まっていない。仮にソフトバンクGが急伸の反動で下げたとしても、それに連れ安する銘柄はそれほど多くないと思われる。指数の水準は一段切り上がったとみるべきだろう。
来週以降はプライムの売買代金の水準に注意を払っておきたい。今週は3営業日で5兆円を上回った。SQ週で決算発表も多かったため、今週がピークとなる可能性はある。ただ、今年に入ってからの日経平均は大きな押し目を作ることなく上昇が続いており、ここにきて高値を更新してきた。高水準の売買代金が継続する、もしくはさらに厚みを増すということになるのであれば、グローバルの視点で日本株に対する見方が一段と良くなることが期待できる。
【来週の見通し】
堅調か。月曜が休場で立ち合いは4日。決算発表は終盤戦となるが、週明けには東京エレクトロン<8035.T>の決算を消化するほか、水曜14日にはソニーG<6758.T>が決算を発表予定。国内主力企業の決算が概ね出そろった後も、15日には米国で半導体大手のアプライド・マテリアルズが決算予定であることから、来週も個別の物色は活況が続くと見込まれる。米国では1月の消費者物価指数(CPI)ほか経済指標の発表が多く、結果を受けた米長期金利の動向には気を揉むことになると思われる。ただ、米金利が低下すればリスクオンの流れが加速する公算が大きく、金利が上昇すればバリュー株に資金が向かいやすい。日経平均は今週、直近高値を上回っており、今は買い手の方に勢いがある。弱材料に耐性を示すことで、水準を切り上げる流れが続くと予想する。