ロンドン為替見通し=ポンド、ディングラMPC委員の講演に要注目か

 本日のロンドン為替市場のポンドドルは、ディングラ英中銀金融政策委員会(MPC)委員の講演でイングランド銀行(BOE)の利下げ開始時期を見極めることになる。

 英国の国内総生産(GDP)は、2023年第3四半期と第4四半期の2四半期連続してマイナス成長を記録して、テクニカル・リセッションに陥ったことで、イングランド銀行による早期の利下げ開始観測が台頭している。

 ベイリーBOE総裁は、昨日の英下院の財政委員会で、「市場が織り込む年内の利下げ見通しは理不尽なものではない。当局は利下げを開始する前にインフレ率が目標の2%に達するのを待つ必要はない」と述べた。また、英経済のリセッション(景気後退)入りについては「英経済はすでに実際に明確な好転の兆候を示している」と述べて、深刻視しない姿勢を示した。
 ベイリーBOE総裁の発言を受けて、市場は英中銀の利下げ見通しを前倒しし、初回の利下げは8月、年内の0.25ポイント利下げ回数は3回を織り込んでいる。

 本日講演予定のディングラMPC委員は、1日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)で5.00%への0.25%の利下げに票を投じた。そして、英経済には大きなリスクがあり、金融引き締め政策はそれを悪化させるだけだ、と述べており、本日もハト派的な見解が予想される。

 ユーロドルは、重要な経済指標や要人発言の予定がないことで、NYカットオプション(27日:1.0850ドル、21日:1.0815ドル、27日:1.0800ドル)周辺での推移が予想される。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0898ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:162.95円(2023/11/28高値)
・ポンドドル:1.2678ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンド円:190.08円(2/13高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0767ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:161.37円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.2507ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ポンド円:188.02円(2/15安値)


(山下)
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