ロンドン為替見通し=英CPIの結果次第で明日のMPCに影響も、独PPIにも注目

 本日の欧州時間も、欧州引け後に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が公表されることで動きにくくなるだろう。しかしながら、欧州入り後すぐに発表される8月独生産者物価指数(PPI)や同月英消費者物価指数(CPI)の結果次第では、FOMC前にも相場が動意づくこともありそうだ。

 8月の独PPIは前月比では小幅に上昇予想となっているが、前年比では前回(-6.0%)よりも大幅に減速し、-12.5%まで低下が見込まれている。7月PPI公表後の市場の反応は限られたが、今回もし市場予想を更に下回るような場合には、欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の方向性の違いを再確認し、ユーロドルが弱含む可能性がありそうだ。

 一方で独PPIが予想比で上振れた場合は、大きな値動きを期待するのは難しいか。ビルロワドガロー仏中銀総裁が昨日「ECBは金利を必要な限り長く4%に維持する」と発言し、当面は再利上げの可能性が減少していることや、本日NYカット分を含め1.0700ドルには複数のオプションがあることが値幅を限定させそうだ。

 本日はイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会(MPC)が、明日公表の政策金利に最終判断を下す。そのため、英CPIの結果がMPCに与える影響もあるだろう。8月のヘッドラインCPIは前年比で7月の6.8%から7.0%へ上昇、コアCPIは6.9%から6.8%へ低下するとの予想。7月英国内総生産(GDP)などここ最近の英経済指標が弱い結果が目立ち、年終盤にかけてはBOEの利上げ停止観測も高まりつつある。本日CPIの結果次第でポンドは大きく動く可能性もあるか。
 

・想定レンジ上限
 ユーロドル:9月14日高値1.0752ドル。
 ポンドドル:200日移動平均線1.2433ドルから日足一目均衡表・転換線1.2459ドルが抵抗帯

・想定レンジ下限
 ユーロドル:3月17日安値1.0608ドル。
 ポンドドル:18・19日安値1.2370ドル、割り込むと5月25日安値1.2308ドル

(松井)
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