ロンドン為替見通し=7月独PPIを見極めた後は、NYカットOPが値動き抑制か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、7月の独生産者物価指数(PPI)を見極めた後は、23日のユーロ圏8月の製造業・サービス業PMI速報値や24-26日のジャクソンホール会合を控えて動きづらい展開が予想される。

 ユーロドルは、本日のNYカットオプションが1.0900ドルと1.0845ドルに控えており、値動きが抑制される可能性が高いと思われる。

 7月PPIは前月比-0.2%と予想されており、6月の同比-0.3%からの上昇が見込まれている。ドイツ経済はリセッション(景気後退)に陥っているものの、8月のZEW景況感指数の期待指数が前月から上昇しており、金融市場の専門家は、年末に向けて楽観的な見方に傾いていることが示された。しかし、ワンバッハZEW所長は、「期待感の高まりは、現在の経済状況に対する評価が著しく悪化しているという文脈でみる必要がある」と釘をさしており、依然として予断を許さない状況が続くことになる。

 7月PPIの傾向を確認した後は、23日に発表されるユーロ圏8月の製造業・サービス業PMI速報値を確認し、24-26日のジャクソンホール会合でのラガルドECB総裁の講演で9月欧州中央銀行(ECB)理事会での利上げ、あるいは据え置きを確認することになる。

 ユーロ円は、中国の景気減速懸念や米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げへの警戒感によるリスク回避から軟調に推移しており、引き続き中国の景気刺激策や元安抑制策を受けた世界の株価動向に要注目となる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0955ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:159.36円(8/17高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0794ドル(200日移動平均線)
・ユーロ円:157.66円(8/18安値)


(山下)
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