ロンドン為替見通し=NY入り後の動きに注意、欧州序盤は独PPIに注目

 今週の欧州市場は、米金利の動向に連れる展開が続いていることで、本日も米国が本格的に参入する時間までは動きが限られそうだ。

 もっとも、欧州序盤にはドイツの4月卸売物価指数(PPI)が発表されることには目を向けておきたい。3月は市場予想の-0.5%を大幅に下回る-2.6%となった。この結果がきっかけで、独10年債利回りが低下し、ユーロドルは上値が抑えられた。本日は3月から低下幅が縮小し-0.5%予想となっている。もし、再び予想よりも低下した場合には、今後の欧州中央銀行(ECB)の政策決定に影響を及ぼす可能性もあるため注目しておきたい。

 ECB関係者の講演は複数予定されているが、予定時間が米国勢参入後になる。シュナーベルECB専務理事が講演、ラガルドECB総裁、デコス・スペイン中銀総裁がパネルディスカッションに参加する予定。もっとも、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がバーナンキ元FRB議長とともに、別のパネルディスカッションに参加予定となっていることで、市場はFRB議長の発言への注目度が高くなりそうだ。

 なお、広島で行われている先進7カ国首脳会議(G7サミット)では、日本時間午後にウクライナについての話し合いが行われる。サミットでサプライズとなる結果などが伝わった場合には。市場が急に動くことがあることで、注意を怠らないようにしておきたい。

・想定レンジ上限
 ユーロドル:90日移動平均線の1.0821ドルから昨日高値1.0848ドルが抵抗帯。
 
・想定レンジ下限
 ユーロドル:3月24日安値1.0713ドル、22日のオプションカットがある1.0710ドル近辺。

(松井)
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