NY為替見通し=欧州からNYに移行するタイミングでの潮目の変化に注意

 NYタイムは、動意につながりそうな特段の米経済指標の発表が予定されていない。イエレン米財務長官が債務上限引き上げ問題「Xデイ」としている6月1日を見据え、本日9日にバイデン米大統領がマッカーシー下院議長(共和)ら議会指導部と協議する予定。明日10日にバイデン大統領が同問題について発言するはずだが、現地時間ベースのスケジュールにおける話し合いの内容が伝わってくのに時間がどの程度の後ずれとなるか不透明。関連ニュースのヘッドラインの内容に気を配りつつ、神経質な相場展開が続くか。

 ユーロ圏の銀行が1-3月(第1四半期)に予想以上に融資を抑制したことが明らかになっていたのに続き、昨日は米融資担当者調査(SLOOS)でも同期の中・大規模企業向け融資条件が前期より引き締められていたことが判明した。融資態度が実質的な引き締め状態で経済を圧迫しそうななかで、米政策金利の引き上げが頭打ちとなりそうであれば、ドル相場の上値は重くなりそう。本日の欧州入りにかけて欧州通貨など他通貨に対してドル買いが先行したものの、市場参加者がより米系中心となってくるNY入り以降、相場の潮目が変化してドルが軟化する展開も警戒しておきたい。ドルはやや重く推移しつつ、明日10日の米消費者物価指数(CPI)などの発表を待つ状態が想定しやすい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、2-4日・下落幅の半値戻し135.64円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは、5日安値133.89円。

(関口)
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