NY為替見通し=NY午後は金融株の動向に注視、金融危機は長期化の可能性

 本日のNY時間午前は、欧州中央銀行(ECB)の結果公表での利上げ幅や、声明内容のフォワードガイダンスなどにより、動意づく相場となるだろう。その後は、米金融システムの動向を睨みながらの取り引きとなりそうだ。

 本日のアジア時間では、米カリフォルニア州に地盤があるパックウエスト銀行の持ち株会社、パックウエスト・バンコープ株が時間外取引で急落。前日の引け値水準の6.5ドル近辺から2.6ドル付近まで一時売り込まれた。先月26日は13ドル手前まで上がっていた同社株だが、経営再建策を検討していることが、フィナンシャル・タイムズ(FT)などから報じられたことがきっかけで売り込まれた。更なる金融不安の再燃が、リスク回避の高まりにつながり、円が買われやすい状況になりそうだ。

 なお、昨日ダラス連銀の前総裁カプラン氏は「米地銀危機は終わりから程遠い」とインタビューで述べている。現行の米連邦準備理事会(FRB)執行部が、表立ってこのような発言をすることはできないが、同様の見解を持っている可能性もあり、今後も金融危機の影響が長期化する可能性が高そうだ。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、節目の135.00円、その上は昨日FOMC後の高値135.70円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、本日の日通し安値134.15円、その下は日銀政策決定会合後に付けた28日安値133.38円。


(松井)
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