NY為替見通し=米3月PCEデフレーターと4月ミシガン大調査インフレ期待に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、3月米PCEデフレーターや4月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)のインフレ期待を見極めつつ、月末のロンドン・フィキシングや米2・10年債利回りの動向を注視していく展開が予想される。

 ドル円は、日銀の大規模な金融緩和策が長期化するのではないかとの警戒感から136円台に乗せており、月末のロンドン・フィキシングでの売り買いに要警戒か。

 米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している3月米PCEデフレーターは前年比+4.1%と予想されており、2月の前年比+5.0%からの伸び率鈍化が見込まれている。3月の米国の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)も伸び率が鈍化しており、整合的な見通しとなっている。しかし、4月以降はOPECプラスの原油減産を受けて、ガソリン価格などが上昇基調にあることで、5月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での10回目の0.25%の追加利上げは既定路線となっている。

 米4月消費者態度指数(ミシガン大調べ)の1年期待インフレ率の速報値は4.6%だったが、本日の確報値で上方修正されるのか、それとも下方修正されるのか要注目となる。

 米下院は、連邦債務の法定上限引き上げ(1兆5000億ドル)と歳出削減(4兆8000億ドル)をリンクさせたマッカーシー下院議長の法案を、賛成217、反対215の賛成多数で可決したが、上院では否決されることが確実となっている。
 イエレン米財務長官は、デフォルトの危険が現実的になる前に債務上限を引き上げる時間がどの程度議会にあるのか、今週末までに新たなガイダンスを示すと報じられており、関連ヘッドラインに要注目か。

 バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)は、5月1日までに金融機関の経営破綻に関する報告書を提出する予定となっており、5月2-3日のFOMCでの参考資料となるため、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、3月10日の高値の136.99円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、一目・転換線の134.08円。


(山下)
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