NY為替見通し=米3月耐久財受注額や米2・10年債利回りの動向に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、米国3月の耐久財受注額を見極めつつ、米金融機関の信用収縮懸念から低下傾向にある米2・10年債利回りの動向を注視していく展開が予想される。

 3月米耐久財受注額の予想は前月比+0.7%で2月の-1.0%からは改善、輸送用機器を除くは前月比-0.2%で、2月の±0.0%からは悪化が見込まれている。

 昨日発表された4月の消費者信頼感指数は101.3で、3月の改定値104.0から低下し、期待指数は、3月の74.0から68.1へ低下していた。期待指数は、今年になってから4カ月連続でリセッション(景気後退)リスクとされる80を下回っている。
 また、勤労市場格差は3月の36.5から37.3へ改善、1年間の期待インフレ率は、6.2%となり、3月の6.3%から低下していた。米ミシガン大学の4月の消費者調査速報値では、1年先のインフレ期待が、ガソリンの値上がりを背景に4.6%へ上昇しており、整合的ではない物価見通しとなっている。

 昨日は、米地銀の信用収縮への警戒感が高まったことで、米2・10年債利回りが低下し、ドル売り要因となった。
 バーFRB副議長(銀行監督担当)は、5月1日までに金融機関の経営破綻に関する報告書を提出する予定となっており、5月2-3日のFOMCでの参考資料となるため、関連ヘッドラインには警戒しておきたい。

 さらに、今週は、マッカーシー米下院議長が提案した連邦債務削減案が下院で協議される予定となっているが、民主党が多数派の上院では否決されることが見込まれている。
 米国がデフォルト(債務不履行)に陥る「Xデイ」が7月辺りに訪れることが警戒される中、信用収縮によるリセッション懸念や政策金利の高止まり懸念などが、米国債市場の波乱要因となりつつある。
 イエレン米財務長官は、デフォルトの危険が現実的になる前に債務上限を引き上げる時間がどの程度議会にあるのか、今週末までに新たなガイダンスを示すと報じられている。

 ドル円の一目均衡表でのテクニカル分析では、雲の中(上限134.00円・下限132.57円)での推移となっている。
 5月2-3日のFOMCでは、10回目となる0.25%の利上げが確実視されているが、声明文が発表される3日には、雲の上限と下限が132.74円で交差し、相場の転換となる「変化日」が警戒されており、念頭に置いておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、4月19日の高値の135.13円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、一目・雲の下限の132.57円。


(山下)
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