ロンドン為替見通し=クロス円の底堅さ継続か、NY参入までは動意鈍い可能性も

 本日は欧州主要国(独仏、スイスなど)がメーデーで祝日、英国もアーリーメイバンクホリデー。香港・シンガポールも休場のため、東京夕方から(ニューヨーク勢が参入する)ロンドン昼過ぎまでは参加者が少なく、為替相場も動意づきにくいだろう。

 ただ、先週末の大幅円安に乗り遅れた本邦実需も少なからずいると思われる。そういった参加者は、ゴールデン・ウィーク期間中であるとはいえ「外貨買い円売り」に動かざるを得ない場面も出てきそうだ。投機筋に関しては、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や欧州中央銀行(ECB)理事会を見極めたいのではないか。そうなると、実需フローが主導となる相場展開が考えられる。

 本日は流動性が薄いため、先週末の調整をある程度は想定する必要があるかもしれない。しかしながら日銀の超緩和スタンスとECB引き締めスタンスの長期化を背景に、基本的な欧州通貨の対円での底堅さが維持されるようであれば、それが対ドルにも影響していくのではないか。

 ほか今週から来週にかけて注目したいのが、トルコ大統領選に向けた動き。再選を目指すエルドアン大統領の健康不安説が高まっているからだ。大統領は先週、生放送のテレビインタビューを体調不良により途中で切り上げた。その後、幾つかの式典にはオンラインで参加し、日曜日には「トルコ国家情報機構(MIT)がテロ組織のトップを殺害」をテレビで発表。しかしながら画面を通してのみであり、それ以外の公けの場にエルドアン大統領はまだ姿を見せていない。大統領の健康状態が選挙結果を左右することになるかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドルは4月27日高値1.1064ドル、ユーロ円が2008年9月30日高値151.38。リラ円は3月前半に伸び悩んだ7.20円台。

想定レンジ下限
・ユーロドルは4月28日安値1.0963ドル、ユーロ円が先週末に一旦頭を抑えられた149.50円付近。リラ円は21日移動平均線6.90円。

(小針)
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