NY為替見通し=米金利の先安観継続ならドルの上値重いまま、SLOOSにも注視

 本日のニューヨーク為替市場では、依然として年内の米利下げを見込む金利市場の動向や、金融システミックリスクへの警戒度合いを探りながらの取引か。なお、ニューヨーク午後には、米連邦準備理事会(FRB)が4四半期ごとに実施する「上級貸出担当者調査(SLOOS)」の結果が公表される。

 先週末の4月米雇用統計は強い結果だったものの、短期金融市場は秋以降に米連邦公開市場委員会(FOMC)が金利を引き下げるとの見方を変えていない。一時縮小していた「米2/10年債利回りの逆イールド差」も再び拡大し、景気先行きが楽観視できないことを示している。米金利先安観が大きく後退することは考えづらく、そうなるとドルの上値も限定的となりそうだ。

 5日のニューヨーク株式市場では地銀株の反発が目立った。このところ相場の方向性をリードしていたSPDR・S&P地銀ETFも6%超上昇。ただし売られ過ぎの反動であり、金融リスクへの警戒感が拭えたわけではない。一部通信社は、S&P500の金融株指数(Financial Sector Index)がテクニカルポイントを割り込む可能性を指摘していた。金融株の動向には今後も注意しておきたい。

 米東部時間14時(日本時間9日3時)にFRBが発表するSLOOSには、いつも以上に目が集まっているようだ。調査結果で米銀行の貸出基準を知ることができ、3月のシリコンバレーバンク破綻後の貸し渋りの実態を掴むことになる。

想定レンジ上限
・ドル円は日足一目均衡表・転換線135.40円、ドル/スイスフランが5日高値0.8973フラン。

想定レンジ下限
・ドル円は日足一目・基準線134.21円、ドル/スイスフランが4日安値(年初来安値)0.8820フラン。


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。