ロンドン為替見通し=欧州序盤は昨日に続きポンドが市場をけん引か、英CPIに要注目

 昨日は、欧州入り直後に発表された3月英雇用統計の週平均賃金が、予想を大きく上回る結果となったことでポンド高が進み、市場をけん引する形になった。本日も同時間(日本時間15時)に英国の3月消費者物価指数(CPI)が発表されることで、ポンドが欧州序盤のメイントピックになりそうだ。市場では前年比で2月よりインフレ率は低下し+9.8%と予想、コア指数も+6.0%の予想となっている。昨年は一時期、英国の景気減速のなかでのインフレ進行は、スタグフレーション懸念を高めることでポンド売りに反応していたが、ここ最近は市場予想よりもインフレ指標が高まった場合は、素直にポンド買いに反応している。

 ユーロ圏からの経済指標では3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値が、速報値との乖離が大きくなった場合はユーロドルが動く可能性がありそうだ。また、経済指標以外では、複数の欧州中央銀行(ECB)関係者の講演も予定されている。レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、クノット・オランダ中銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁、シュナーベルECB専務理事がそれぞれ講演予定。もっとも、昨日講演したレーン氏を始め、、他の関係者も最近講演を行っていることで、見解が急に変わることもないと思われ、サプライズとなる発言を期待するのは難しそうだ。

・想定レンジ上限
 ポンドドル:日足一目均衡表・転換線の1.2446ドルや昨日高値1.2450ドルが最初の抵抗帯。抜けると13日高値1.2537ドルを意識するか。
 ユーロドル:17日高値で節目の1.1000ドルを最初の抑えとし、抜けると年初来高値でもある4月14日高値1.1076ドル。
 
・想定レンジ下限
 ポンドドル:昨日安値1.2368ドル。
 ユーロドル:17日安値1.0909ドルや21日移動平均線の1.0902ドル。

(松井)
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