ロンドン為替見通し=対ドルで昨日急騰の欧州通貨、英欧の材料が押し下げ要因となる展開も

 ロンドンタイムは、昨日の注目材料10月米消費者物価指数(CPI)の弱さを受け、対ドルで急上昇した欧州通貨が、反動の下押しを軽微にとどめて底堅さを維持できるか注視することになる。米インフレが落ち着く兆候という外部要因が対ドルで欧州通貨を押し上げることになったが、クロス円は円高推移。やはり、欧州サイドのポジティブな材料がなければ、欧州通貨主導で上昇しにくい状態といえる。

 本日、独消費者物価指数(CPI)は改定値で大きな動きにつながりにくいかもしれないが、英国の国内総生産(GDP)や鉱工業生産など製造関連指標が為替へ与える影響に注目。発表予定の7-9月期英GDPは市場予想が前期比-0.5%(4-6月期 +0.2%)、前年同期比+2.1%(同 +4.4%)と減速する見込み。9月英鉱工業生産も前月比-0.2%(8月 -1.8%)、前年比-4.3%(同 -5.2%)と回復できない状況を示すとの見方。外部要因で上昇した欧州通貨が、内部の材料で調整しかねない。

 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁やパネッタECB専務理事、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、テンレイロ英MPC委員、ナーゲル独連銀総裁など、欧英中銀当局者の講演での発言にも留意したい。米インフレが落ち着く可能性が出てきたなか、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め姿勢緩和を期待して、自国・地域の金融政策姿勢も緩める余地が出てきた旨などの発言が聞かれれば、欧州通貨を押し下げることも考えられる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:8月15日高値1.0268ドル。
・ポンドドル:8月29日高値1.1783ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル:8日高値1.0096ドル。
・ポンドドル:9日高値1.1567ドル

(関口)
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