ロンドン為替見通し=ユーロドル、欧州長期債の動向を見極めながらの取引

 本日のロンドンタイムでユーロドルは、昨日利回りが低下した欧州長期債の動向を見極めながら、本日NYカット(日本時間23時)オプションが観測されるパリティ(1ユーロ=1ドル)を中心とした値動きか。また複数の独経済指標を確かめながら、ロンドン午後に発表される9月米PCEコアデフレーターなどを待つことにもなる。

 昨日の欧州中央銀行(ECB)理事会では市場予想通りに0.75%の利上げが決定されたが、声明では今後の利上げについて、これまで見られた「数回の会合にわたり」という文言が削除された。利上げサイクルが後半戦に突入したと感じた市場は政策金利のピーク水準の予想を切り下げ、為替はユーロ売りを強めた。

 また量的引き締め(QT)についても今回は話し合われず、基本原則は次回12月会合で決めるとした。しかしながら一部通信社によれば、QT開始時期について、ECBは12月に発表することは計画していないもよう。これらを受けて欧州債全般に買われ、伊10年債利回りは前日比で約0.32%低い大幅低下となった。

 昨日の動きで相場がすべて消化しきれたとも思えず、ユーロドルの上値はまだ暫く重いままかもしれない。

 本日の独指標は、7-9月期GDP速報値や10月消費者物価指数(CPI)速報値など。GDP(季節調整済)では前期比予想が0.2%減と21年1-3月期以来のマイナスに沈むことが見込まれている。CPIは前年比二桁台と高い水準が続くかがポイントになりそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドルは昨日高値1.0094ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは日足一目均衡表・転換線0.9900ドル。


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。