ロンドン為替見通し=欧州通貨、荒い値動きのドル円に振らされる展開か

 本日のロンドンタイムも本邦通貨当局による為替介入を巡りドル円は荒い値動きが続くことが予想され、欧州通貨もそれに振らされる展開か。また先週末に急速に改善されたリスクセンチメントの動向も注目される。

 東京朝から買いが先行していたドル円は、政府・日銀による為替介入とみられる動きで149円台から145円台まで急落。それまで強含んでいたクロス円も売り押された。ただ戻りも早く、介入は市場を当惑させているだけのようにも見える。当局がどの程度まで真剣に円安を是正したいのかが問われ、中途半端な水準で介入が終わってしまうようであれば、再び円売りの集中砲火を浴びそうだ。

 米連邦公開市場委員会(FOMC)が12月以降の利上げ幅縮小を議論する可能性、との一部報道から先週末は米株が急騰した。もちろん欧米の状況は同じではなく、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英中銀、BOE)が米国に追随するとは限らない。ただ米株に底打ち感がでたようならば、欧州においてもリスクセンチメントの改善は期待できそうだ。

 なお本日は、仏・独・ユーロ圏、そして英国の10月製造業/サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表予定。軒並み前回値からの下振れが予想されている。ある意味では弱い数値は織り込み済みとも言え、もし下げ渋る結果ともなればユーロやポンドの買い材料にされるかもしれない。

 本日の英国では、与党・保守党の党首選・第1回議員投票が行われる予定。ただ、注目されたジョンソン前首相が立候補を断念し、立候補を表明したモーダント下院院内総務は必要な推薦議員集めにかなり苦戦している。そうなると、スナク元財務相のみが候補者となり、本日中にも同氏が新首相に決まることになる。ひとまず党内の混乱が落ち着くことになれば、英金融市場にポジティブと受けとめられるか。

想定レンジ上限
・ユーロドルは6日高値0.9927ドル、ポンドドルは17日高値1.1439ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは日足一目均衡表・転換線0.9766ドル、ポンドドルも転換線1.1182ドル。


(小針)
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