ロンドン為替見通し=欧州金利の動向やウクライナ情勢に注目

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、欧州金利の動向やウクライナ情勢を見極めながらの取引となりそうだ。

 一部通信社が複数の関係筋の話として報じたところによると、多くの欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーは、インフレ抑制のため主要政策金利を2%以上に引き上げるリスクが高まっている、と認識しているもよう。週末にはナーゲル独連銀総裁が、現在の物価高トレンドが続けば、利上げ継続は避けられないとの見解を示した。

 金融政策に敏感な独2年債利回りは、先週後半に2011年以来の高い水準まで上昇。週引けにかけて上げ幅を縮めたものの、利回り自体は高いところにいる。本日のデギンドスECB副総裁やシュナーベルECB専務理事の講演で金利の上昇リスクが言及されるようであれば、欧州債利回りが上昇基調を取り戻すことになりそうだ。

 確かに欧州金利の上昇が単純にユーロ高に繋がらない場合も多い。ただし、明日の米インフレ指標発表を控えて米債券相場に様子見ムードが広がるようならば、本日はいつも以上に欧州金利にユーロが反応するかもしれない。

 ロシアのウクライナ侵攻は続いているが、北東部ではウクライナ軍が優勢との報道が相次いでいる。侵攻の後退は明るい材料ではあるものの、プーチン露大統領が簡単に諦めるとは思えない。ロシアがより攻撃的になる可能性も高く、依然として予断は許さないだろう。

 なお欧州序盤、日本時間15時には7月英国の国内総生産(GDP、前月比0.4%)や鉱工業生産(予想:前月比0.4%/前年比1.9%)が発表される。予想から大きく上下に振れた場合はポンドの動意に繋がりそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドルは本日早朝の高値1.0127ドル、超えるようだと8月17日高値1.0203ドルが意識される。ポンドドルは21日移動平均線1.1727ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは9日安値0.9995ドル、ポンドドルも9日安値1.1498ドル。


(小針)
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