ロンドン為替見通し=英EU歩み寄りの影響を見極め、欧州金利の思惑でも上下か

 本日のロンドン為替市場でポンドは、昨日発表された「北アイルランド問題、解決で合意」の影響を見極めながらの取引か。週明けのポンドドルは前週末の安値を割り込んだ1.1920ドル台で下げ止まり、同水準に位置する200日移動線がサポートとして働いた形となった。その後に英国と欧州連合(EU)の首脳が、「ブレグジットに伴う長年の懸案事項の解決で合意した」ことが好感されて1.2060ドル台まで反発している。

 ただし英領北アイルランドの物流規則を巡っては、既に1月から英EUの歩み寄りが見られており、ポジティブ材料ではあるもののビッグサプライズというわけでもない。ポンドドルは1.19ドル前半の底堅さを確認できたが、ここからは先週頭を抑えられた1.21ドル半ばをクリアに超えることができるかがポイントとなりそうだ。

 英EU貿易の障壁が取り払われることで、ユーロポンドの実需取引が拡大する可能性はある。昨日からはユーロ売りポンド買いで反応しており、アジア午前でもユーロポンドは0.87ポンド台後半で22日安値を割り込んだ。月末絡みで本日のユーロポンドは右往左往しそうだが、下値余地は広がってきたようには見える。

 なお本日は、カンリフ・英中銀(BOE)副総裁、ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミストやマン英中銀MPC委員らの講演が予定されている。こちらの発言内容にも注目しておきたい。

 ユーロドルは1.06ドルを中心に方向感を探る展開か。昨日は1.0530ドル台の90日移動平均線が支えとなり反発も、1.06ドル前半の日足一目均衡表・転換線が重しとなった。欧州中央銀行(ECB)の利上げが来年まで続くとの見方が広がりつつあり、欧州金利への思惑で暫く上下することになりそうだ。序盤に発表される2月仏消費者物価指数(CPI)が大きく上振れるようであれば、上値を試す場面があるかもしれない。

想定レンジ上限
・ポンドドルは21日高値1.2147ドル、ユーロドルは22日高値1.0664ドル。ユーロポンドは24・27日高値0.8836ポンド。

想定レンジ下限
・ポンドドルは昨日安値1.1923ドル、ユーロドルも昨日安値1.0533ドル。ユーロポンドは1月19日安値0.8722ポンド。

(小針)
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