ロンドン為替見通し=ポンドは英CPI、ランドが南アCPIが材料に

 本日のロンドン為替市場でポンドは、序盤の英インフレ指標の結果を引きずりながらの値動きか。南ア・ランドに関しては、同国5月消費者物価指数(CPI)が注目される。

 日本時間15時に発表される5月英CPIは前年比8.4%上昇と4月分から0.3ポイントの減速予想。同コアは前回から横ばいの前年比6.8%上昇が見込まれている。英インフレ高止まりへの警戒感が強まるなかで、前回同様に「予想比上振れ」には注意が必要だろう。特にコアインフレ率は1992年に統計を取り始めて以降で最も高い水準におり、想定より僅かな加速でも相場は敏感に反応しそうだ。

 英中銀金融政策委員会(MPC)では本日、ベイリー総裁が提示した金融政策への投票が行われる(結果や議事要旨は明日公表)。MPC委員は最新の経済データについて説明を受けているものの、直前でもあることから今回のCPIが投票行動にかかわることは少なさそうだ。ただMPC方向性に対する思惑に影響を与えることは確かであり、昨日低下した英金利がどのように反応するか注視したい。

 5月南アCPIは前年比6.5%上昇と4月分から0.3ポイントの鈍化見込みだ。予想通りであれば2カ月連続の前回から減速であり、水準としても1年ぶりに低いインフレ率となる。物価上昇の落ち着きが確認されれば、南アフリカ経済にとっても悪い話ではないだろう。昨日は6月初めからの上昇が一服したランドだが、期待通りのCPIとなれば下値固めとなるか。

 ほか、ユーロドルについては欧州金利や株動向を睨みながら、ニューヨーク午前に予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を待つことになりそうだ。

想定レンジ上限
・ポンドドルとユーロドルは16日高値1.2848ドルと1.0971ドル。
・ランド円は1月4日につけた年初来高値7.86円。

想定レンジ下限
・ポンドドルとユーロドルは14日高値1.2699ドルと1.0864ドル。
・ランド円は日足一目均衡表・転換線7.59円。


(小針)
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