ロンドン為替見通し=ポンド 英金利高も上値追いづらいか

 本日のロンドン為替市場では昨日大幅に上昇した英金利の動向を睨みながらの取引となりそうだ。インフレ高止まりを背景に、英中銀による金融引き締めが長期化するとの観測が強まっている。そういったなか、昨日は英2年債利回りが前営業日比で14ベーシスポイント(bp)弱の大幅上昇、5.08%台と2008年以来の高い水準を記録した。一方で昨日のポンドは対主要通貨で伸び悩んだ、

 明日には5月英インフレ指標、そして明後日には英中銀金融政策委員会(MPC)の結果公表が予定されている。重要イベントを控えてポンドは先週すでに大きく値を上げており、その分の反動は本日も出やすいのかもしれない。また、英金利が想定以上に高止まりするリスクは英成長の足かせになり得るため、ここからポンドの上値を積極的に追うのは難しいか。

 本日からニューヨーク勢も戻ってくることもあり、米金利の先高観も意識されるとなればポンドドルは下向きの調整を念頭に入れておきたい。一方、本邦金利の低位安定が確実視されるなかでは、ポンド円は下げたところでの買い場探しか。ユーロポンドはユーロ圏の動向も見極めたい。

 昨日は欧州中央銀行(ECB)のチーフ・エコノミストでもあるレーン専務理事が「7月に追加利上げし、9月は様子見が適切」と述べた。一方でシュナーベル専務理事が利上げの継続を訴えており、ECBの中での足並みの乱れが垣間見れた。本日は、フィンランド、エストニア、クロアチアの中銀総裁がそれぞれ講演予定。

想定レンジ上限
・ポンドドルとポンド円ともピボットレジスタンス2の1.2866ドルと182.56円。
・ユーロドルは5月10日高値1.1007ドル。

想定レンジ下限
・ポンドドルとポンド円ともピボット・ターニングポイントの1.2697ドルと180.29円。
・ユーロドルは6月14日高値1.0864ドル。

(小針)
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