ロンドン為替見通し=英・南アのインフレ指標を見定め、ECBメンバーの講演も注目

 本日のロンドン為替市場では英国や南アフリカのインフレ指標をまずは見定め、その後は昨日後退した欧米金融システミックリスクへの警戒感を見極めながらの取引となる。欧州金融当局者の講演も多数予定されており、発言にも耳を傾けておきたい。

 2月英消費者物価指数(CPI)は前年比予想が9.9%と半年ぶりに上昇率が一桁台に落ちる見込み。ただし、インフレ水準としては依然として高いのは確かだ。

 明日に政策金利を発表する英中銀は、本日の金融政策委員会(MPC)でベイリー総裁の提案に対し投票が行われる。今回のCPIがどの程度まで委員の考えに影響を及ぼすかは不透明ではあるものの、指標結果に対する市場の反応には注意したい。特に欧州中央銀行(ECB)が先週、金融不安の真っ只中で0.50%の利上げを決定したこともあり、CPI上振れとなれば英中銀タカ派寄りへの思惑が高まるかもしれない。

 2月南アフリカCPIは前年比予想が前回から横ばいではあるものの、前月比が前回マイナスからプラスに上振れ見込み。食品価格などが高止まりしているようだと、インフレの根深さが意識され、同国経済成長の足かせと見られそうです。

 なおECB理事会メンバーの講演はビルロワドガロー仏中銀総裁、ラガルド総裁、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、レーン・フィンランド中銀総裁が欧州午前に予定されています。午後にはウンシュ・ベルギー中銀総裁、パネッタECB専務理事、ナーゲル独連銀総裁も講演予定です。

想定レンジ上限
・ポンド円は日足一目均衡表・雲の上限162.32円を超えると節目163.00円。ランド円は日足一目均衡表・基準線7.28円。ユーロドルは一目・雲の上限1.0821ドル。

想定レンジ下限
・ポンド円は昨日安値160.77円、ランド円が2021年11月安値6.94円。ユーロドルは一目・転換線と基準線1.0652ドル。


(小針)
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