ロンドン為替見通し=3月独ZEW景況感指数とラガルドECB総裁の講演に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、3月独ZEW景況感指数や3月ユーロ圏ZEW景況感指数などを見極めた後、ラガルドECB総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁の講演に注目する展開が予想される。

 3月独ZEW景況感指数は17.1と予想されており、2月の28.1からの低下が見込まれている。ドイツの昨年10-12月期国内総生産(GDP)速報値は前期比で0.2%縮小しており、今年1-3月期も縮小すれば、定義上のリセッションとなる。エネルギー危機を背景にドイツ経済がリセッション(景気後退)に陥る可能性が高まりつつあることで、3月独ZEW景況感指数のネガティブサプライズには警戒しておきたい。

 3月14日に、デギンドスECB副総裁が欧州連合(EU)財務担当相に対して、「域内の一部の銀行は金利上昇に対して脆弱な恐れがある」と報告していたにも関わらず、16日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、大多数の支持で0.50%の利上げが断行された。声明文からは、今後の金利の軌道を示唆する文言「フォワードガイダンス」が取り除かれ、ラガルドECB総裁は「将来の金利の軌道を現時点で決定することは不可能」と述べている。また、ラガルドECB総裁は昨日の講演で、「ユーロ圏の銀行部門は底堅く、十分な資本および流動性を有している。物価と金融の安定を維持するため必要に応じて対応する用意がある」と市場の懸念を払拭する発言をしている。

 本日のラガルドECB総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁の講演では、欧州の社債市場の動揺を受けた見解に注目することになる。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0845ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:142.18円(日足一目均衡表・転換線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0638ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:139.48円(3/15安値)


(山下)
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