ロンドン為替見通し=ユーロドル ECB総裁の講演内容に注目

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演内容が注目される。

 ECB総裁は今月前半、ユーロ圏がリセッション(景気後退)入りする懸念は高いものの、加速し続けるインフレ高進を抑制するために利上げを続ける必要があるとの考えを示した。また、その後にも、インフレ率が高止まりし、インフレ期待が更に上昇するとなれば、金融引き締めを急ピッチで行う用意があるとも発言。

 昨日発表された10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP、前年比)改定値は10.6%上昇と速報値から0.1%下振れたものの、二桁台と過去最高水準だ。今後、冬にかけて天然ガス価格が上昇する恐れがあるなか、ラガルド総裁がタカ派な姿勢を強める可能性は否定できない。

 なお昨日は、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストの発言「インフレ率は来年低下する見込み」、「我々は金利に関してより多くのことを期待」「エネルギーショックが依然としてインフレの主な問題」が伝わった。

 中期財政計画の発表を通過したポンドは本日、まずは10月英小売売上高で足もとの景気動向を確かめることになる。前月比では前回マイナスから小幅プラス転が見込まれている。なお昨日はハント英財務相が中期財政計画の発表とともに、予算責任局による成長率見通しを発表。来年の英GDP予測が従来+1.8%から-1.4%と大幅に下方修正された。

 昨日明らかになった展望期間5年の財政再建計画では、増税と歳出削減を柱とする年換算で550億ポンド規模の収支改善策が盛り込まれた。ただし、24年頃に実施される国政選挙以降まで計画がずれ込むため、政局次第では債権への取り組みが損なわれる可能性もあるとの指摘もあるようだ。

想定レンジ上限
・ユーロドルは15日高値1.0479ドル、ポンドドルは15日高値1.2028ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは14日安値1.0272ドル、ポンドドルが昨日安値1.1764ドル。


(小針)
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