ロンドン為替見通し=ユーロドル 雲の上限を睨みながらECB待ち

 本日のロンドンタイムでユーロドルは、1.0089ドルに本日位置する日足一目均衡表・雲の上限を睨みながら欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表を待つことになりそうだ。なお雲の上限は明日には1.00ドル前半、来週初には0.99ドル台まで低下が示唆されている。

 ECB理事会では政策金利の0.75%引き上げが市場コンセンサス。昨日はカナダ中銀(BOC)が追加利上げを決定したものの(3.25%から3.75%へ)、予想よりも小さい利上げ幅だった。これを受けて、他の先進国中銀も金利引き上げペースを緩めるとの思惑が広がりつつあるようだ。

 ただし、BOCは今年3月から金融引き締めサイクルを開始しており、前回会合までの引き上げ幅は3.00%にも達していた。一方で7月から利上げを開始したECBは、9月の追加利上げと合わせても引き上げ幅は1.25%。ユーロ圏でインフレ鈍化の兆候が見られない中で、今回は市場が見込んだ通りの幅になりそうだ。

 ラガルドECB総裁の定例会見では12月会合について質問されるだろうが、「今後についてはデータ次第」という文言が繰り返されるのではないか。月末には10月消費者物価指数(HICP)が発表予定であり、前年比10.0%と過去最高を記録した9月からの変化がポイントとなる。

 またECB総裁は、昨日のBOC決定についてや、市場で思惑が強まっている12月FOMCでの利上げ幅縮小に関する見解が問われるだろう。ユーロ圏と北米では状況は当然違うが、返答内容は気になるところだ。

 昨日も大きく上昇したポンドドルの動向も注目。英政府は今月末に予定していた中期財政計画の発表を来月17日に延期した。新政権への期待感からか英債券市場は底堅い動き(金利は低下)が継続。9月に暴落したポンドドルも、同月高値に約100ポイントまで迫っている。


想定レンジ上限
・ユーロドルは9月12日高値1.0198ドル、ポンドドルは同月13日高値1.1738ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは昨日安値0.9944ドル、ポンドドルが25日高値1.1499ドル。


(小針)
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