ロンドン為替見通し=下振れ予想の独Ifo、ECB理事会のパワーバランス変わるか

 本日のロンドンタイムも「政府・日銀によるドル売り円買い介入を警戒」は変わらずだが、まずは前半に発表される10月独Ifo企業景況感指数が注目される。同指数の市場予想は83.3と前回84.3から下振れ、2020年5月以来の低い水準が見込まれている。

 昨日の独やユーロ圏の10月製造業PMI速報値は、前月からの悪化予想を更に下回る弱い結果となった。欧州は依然として中国と経済的に結びつきを強めている。その中国経済が先行き不透明感を強めるなかでは、欧州経済指標の低迷は暫く続いてしまうかもしれない。そうなると、現状はインフレを抑制するためタカ派が優勢な欧州中央銀行(ECB)理事会のパワーバランスが、今後はハト派優位に変わる可能性もありそうだ。

 ECB理事会は27日に2会合連続となる0.75%利上げを決定すると見られている。ただ市場の注目は今年最後の会合となる12月に移りつつある。ユーロ圏の景気減速が顕著となれば、ECBも引き締めアクセルを緩めざるを得ないとの思惑が今後広がっていくだろう。そうなると株式市場にとってはポジティブであり、為替もリスクオンに沿った動きが予想される。

 昨日は英長期債が大きく買われ、英10年債利回りは前週末から約30ベーシスポイント(bp)も低下した。市場に混乱だけをもたらせたトラス英首相の後任に、スナク元財務相が就任する見通しとなったことを好感した動き。スナク氏は本日、首相に任命されて就任演説を行う予定。財政や物価問題にどのような態度で臨むかが注目される。

想定レンジ上限
・ユーロドルは4日高値0.9999ドル、ポンドドルが17日高値1.1439ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは日足一目均衡表・基準線0.9794ドル、ポンドドルが同・転換線1.1249ドル。


(小針)
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