ロンドン為替見通し=ウクライナ情勢に警戒しつつ、ECB 高官の発言を見極める展開か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、複数の欧州中央銀行(ECB)高官の発言を見極めながら、ウクライナ情勢に関するヘッドラインに警戒していく展開が予想される。

 本日は、センテノ・ポルトガル中銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演が予定されており、10月27日に開催されるECB理事会での追加利上げ幅に関する発言を見極めることになる。

 ウクライナ情勢では、8日のクリミア大橋の爆発に関して、9日、プーチン露大統領が「ロシアの重要インフラの破壊を狙ったテロで疑いはない。発案者、実行者、依頼者はウクライナの特殊部隊だ」と述べていることで、関連ヘッドラインに要警戒か。ロシアのメドベージェフ前大統領は、先日、クリミア半島やクリミア橋に対してウクライナ側からの攻撃があった場合、「終末の日が訪れる」と述べ、強烈な反撃があると警告していた。
 バイデン米大統領は「今の状況が続けば、キューバ危機以来初めて、核兵器使用の脅威に直面する」と懸念を表明している。
 リスクシナリオは、ロシアによる戦術核の使用やウクライナの原発に対する攻撃の激化となる。

 イングランド銀行(BOE)は、英国債市場の崩壊を防ぐため、10月3日に予定されていた保有国債の売却(量的引き締め=QT)の開始を10月31日まで遅らせ、10月14日まで長期国債を無制限で購入すると表明していた。しかし、10月4日の国債購入はゼロとなり、購入姿勢に懐疑的な見方が広がりつつある。
 本日のポンドドルは、英国債市場の動向を睨みながらの取引となる。

想定レンジ上限
・ユーロドル:一目・基準線の0.9867ドル
・ユーロ円:10月7日の高値の142.22円
・ポンドドル:10月7日の高値の1.1225ドル
・ポンド円:10月7日の高値の162.60円

想定レンジ下限
・ユーロドル:9月29日の安値の0.9636ドル
・ユーロ円:一目・転換線の141.08円
・ポンドドル:一目・転換線の1.1018ドル
・ポンド円:一目・転換線の159.14円



(山下)
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