ロンドン為替見通し=11月の仏独の企業景況感指数と10月ECB理事会議事要旨に要注目

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、ウクライナ情勢に関するヘッドラインに注視しつつ、11月の独仏企業景況感指数や10月の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨で12月理事会での利上げ幅を見極めることになる。

 ユーロ圏がリセッション(景気後退)に陥りつつあるとの警戒感が高まる中、11月の独仏欧の製造業・サービス業PMI速報値は、50を下回っていたものの、リセッションを示唆するような大幅な低下ではなかった。
 11月仏企業景況感指数(予想:101)や11月独Ifo企業景況感指数(予想:85.0)では、ネガティブサプライズに警戒しておきたい。
 10月のECB理事会議事要旨では、12月15日のECB理事会での利上げ幅が0.50%か0.75%なのかを見極めることになる。
 タカ派のECB高官の主張は、10月のユーロ圏のインフレ率が前年比+10.7%まで上昇していることで、ECBはインフレとの闘いを拙速に放棄してはならず、金融政策の正常化路線を続けるほかに選択肢がない、というものである。
 一方、ハト派は、ユーロ圏経済は恐らくリセッション(景気後退)に陥っており、インフレはピークに近い可能性がある、との見立てから、利上げペースを鈍化させるべき、と主張している。

 ポンドドルは、スナク英政権の緊縮財政政策とイングランド銀行(BOE)の金融政策正常化を背景に、1.20ドル台を回復している。本日は、ラムスデンBOE副総裁とピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミストの講演が予定されており、ターミナルレート(利上げの最終到達点)や来週から予定されている緊急買い入れ国債の売却に関する言及に要注目か。

 また本日は、トルコ中銀が政策金利を9.00%に引き下げ、南アフリカ準備銀行が政策金利を7.00%に引き上げることが予想されており、それぞれ予想通りでなかった場合の値動きには要警戒か。

想定レンジ上限
・ユーロドル: 1.0479ドル(11月15日の高値)
・ユーロ円:146.75円(11月10日の高値)
・ポンドドル:1.2143ドル(8月17日の高値)
・ポンド円: 169.01円(11月23日の高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0351ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:143.23円(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンドドル:1.1896ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円: 167.60円(日足一目均衡表・基準線)


(山下)
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