NY為替見通し=米国労働関連指標とラガルドECB総裁の会見に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、米国の労働関連の経済指標、欧州中央銀行(ECB)理事会、そしてラガルドECB総裁の記者会見を見極めることになる。

 昨日のパウエルFRB議長の記者会見では、「労働市場が均衡を取り戻さなければ、インフレの持続可能な2%への回帰はないだろう」と述べ、労働市場への警戒感が示された。明日発表される米国1月の雇用統計を前に、本日は、10-12月期米非農業部門労働生産性・速報値(予想:前期比+2.4%)、10-12月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比年率+1.5%)、そして、前週分の米新規失業保険申請件数や失業保険継続受給者数(予想:19.5万件/168.4万人)などを見極めることになる。

 パウエルFRB議長は、「経済がFOMC当局者の予測通りに展開した場合、今年中の利下げは想定していない」と述べたが、インフレが予想より下がった場合は利下げする、との予防線を張ったとの解釈もできるため、今後の雇用・物価のデータに要注目となる。

 22時15分に発表される欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果は、ラガルドECB総裁が予告していたように、政策金利が3.00%に引き上げられることが見込まれている。そして、次回の3月16日のECB定例理事会でも0.50%引き上げられることが見込まれている。

 22時45分から予定されているラガルドECB総裁の会見では、ユーロ圏のインフレ伸び率の鈍化傾向やユーロ圏のリセッション(景気後退)入りの可能性を考慮した上での利上げのプロセスへの言及、そして市場が織り込みつつある6-7月辺りでの利上げ停止観測への言及に要注目となる。


想定レンジ上限
・ドル円:日足一目均衡表・転換線の129.84円
・ユーロドル:2022年4月1日高値1.1076ドル

想定レンジ下限
・ドル円:1月16日の安値の127.23円
・ユーロドル:日足一目均衡表・転換線の1.0901ドル


(山下)
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